『ドラゴンクエスト トレジャーズ』がドラクエファンのための名作だったワケ! 豊作だらけの2022年末におすすめしたい「宝探し」の没入感の画像
『ドラゴンクエスト トレジャーズ』(C)2022 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO

 2021年の「ドラクエの日」に制作が発表されたスクウェア・エニックスの新作『ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』が、12月9日に発売されました。今回、クリアまでプレイした私ヤマグチクエストが今作の感想を書いていきたいと思います。先に言っておきますが、めちゃくちゃ面白いですこれ……。

■『11』のカミュ&マヤ兄妹による冒険

『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』に出てきた兄妹、カミュとマヤが主人公となった今回の『トレジャーズ』。

2人は幼いころからバイキングたちとともに生活していたことが『11』でも語られていましたが、本作ではゲーム開始時にそのバイキングからかなりぞんざいな扱いを受けていることが分かります。

 そんななかでも2人はめげずに励ましあいながら、宝を見つけて今の生活を変えたいと目論んでいる様子。こんな環境で兄妹だけで暮らしていたら、そりゃカミュもマヤもお互いをあんなに大事に思うわな……、と『11』を思い出してグッときていたのも束の間、トンブーとミューシャという豚と猫の姿をした小さな精霊に誘われるままに、カミュとマヤはバイキングの船を抜け出して、2本の短剣が祀られている祠のようなところにたどり着きます。

 そして、この短剣を引き抜くと突然大きな穴が開き、2人を吸いこもうとします。このとき、制作陣がどんな意図をもって表現したのか分かりませんが、カミュとマヤが手を伸ばしあうシーンがあります。お互いが穴に引きずり込まれないように手を伸ばす、このシーンが後の『11』にてカミュがマヤを救うために手を伸ばしたあのシーンとかぶってしまったドラクエファンも多いのではないでしょうか。少なくとも私はそれを感じて、勝手に「このゲーム、やるな……」とすでに心をつかまれまくってしまいました。

 結局、マヤを救う形でカミュが穴に吸い込まれてしまうのですが、「兄貴だけズルい」と言ってマヤも飛び込んでしまいます。かわいいですね。これがこのゲームの始まりです。

 飛び込んだ先は、いくつかの浮島によって形成される異世界「竜の大地」。たくさんの宝物と「7つの竜石」が眠るとされるこの地で、2人は不思議な短剣の力を駆使しながら、ライバルたちと宝物集めバトルをしていくこととなります。

 大まかなストーリーとしては、この竜石を7つ集めるために、この「竜の大地」の謎を紐解いていく、というモノなのですが実際のところ、このゲームのストーリーはぶっちゃけどうでもいいです。7つ石を集めりゃいいんだな、と思っていただければ。重要なのは、この「お宝たち」なんです。

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