スレッガーとミライも…記憶に残る『ガンダムシリーズ』の名キスシーン! 戦時下の儚いロマンスも作品の魅力の画像
『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』DVDより

『ガンダム』シリーズといえば、戦時中という緊迫した状況下での敵味方の駆け引きやMSの激しい戦いが魅力である。しかし、物語を鮮やかに彩る男女のロマンスも魅力の一つだ。

 今回はガンダムシリーズで印象に残った「名キスシーン」を3つ紹介していこう。

■多くは語らない…スレッガーとミライの大人のキス

 最初に紹介するのは『機動戦士ガンダム』の36話「恐怖! 機動ビグ・ザム」でスレッガー・ロウとミライ・ヤシマのキスだ。

 ソロモン攻略戦でGファイターに乗って出撃したスレッガーは、素晴らしい技量で戦果を上げていたが、一時的にホワイトベースに帰還する。

 待機ボックスで休息を取るスレッガーのもとへミライは訪れるが、スレッガーは自分を想うミライの気持ちに気づいてわざと素っ気ない対応をし、ミライの涙ぐむ姿を見て「迂闊ですぜ」と、その気持ちを咎める。

 補給の完了報告を受け、出撃しようとしたスレッガーだが、「中尉!」というミライの呼びかけに振り向いてしまう。彼女は「死なないでください」という言葉を投げかけるが、スレッガーは「今の自分の気持ちを あんまり本気にしないほうがいい」と、自分への思いを受け流そうとする。

 しかし、「俺は少尉の好意を受けられるような男じゃない」「俺にとっちゃ 少尉はまぶしすぎるんだ」とミライの気持ちを断りつつも、母親の形見の指輪を取り出すスレッガー。そして、「おふくろの形見なんだ」と、ミライに“預かっておいてくれ”と指輪を渡す。

 ミライが受け取ったのを見て、スレッガーは「すまない」と言いつつも初めて笑みを見せた。

 直後、攻撃を受け揺れるホワイトベースで抱き合う二人。スレッガーとミライは見つめ合い、そっと目を閉じたミライを抱き寄せ言葉もなくキスをする。

 その後「指輪を頼むよ 少尉」と言い、スレッガーは戦場に戻っていく。

 今思うと、大人の雰囲気が漂うこのシーンを、よく土曜の午後5時30分のアニメで表現したと感心してしまう。そして「水臭いぞ、ミライ」と言って、スレッガーのもとに送り出したブライトの心遣いも素晴らしい。

■最も純粋なキス…ガロードとティファのキス

 ガンダムシリーズのキスシーンで挙げないわけにいかないシーンが『機動新世紀ガンダムX』でガロードとティファの最終決戦直前のキスシーンだ。

 月夜に一人、草むらでたたずむティファの元を訪れるガロード。

 BGMも落ち着いた雰囲気のある曲で、月の優しい光も相まって、ベタベタではあるがロマンティックな空気になっている。

 戦争が起きることへの悲しさを語る二人だが、ティファは「もう寂しくない、ガロードと一緒だから」と想いを素直に告げ、ガロードは無言で抱き寄せる。

「死なないって約束して」とガロードへの想いをストレートに伝える姿は、作画も相まって非常に美しく表現されたシーンだ。そのティファの想いを受け止め、言葉ではなくキスで返すガロード。

 第1話から丁寧に描かれていた二人の関係があるからこそ、非常に美しくロマンティックなシーンだったと言えるだろう。

 ちなみにキスシーンが描かれた37話「フリーデン発進せよ」は、ウィッツとトニヤ、ロアビィとサラなど告白シーンが盛り沢山な内容になっている。

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