「臨・兵・闘・者…」「青龍・朱雀・白虎・玄武」はどこで覚えた?『聖闘士星矢』『ふしぎ遊戯』『孔雀王』新しい知識を教えてくれた名作漫画たちの画像
画像はフラワーコミックス『ふしぎ遊戯』第1巻(小学館)

 私たちが普段何気なく口にする話題の中には、意外と漫画やゲームから得た「知識」があったりもする。

 理科の授業で太陽系惑星「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星」を習ったと思うが、これら全てを「英語名」で言えるのは天体好きか英語が得意な方でないと難しいかもしれない。ところが、日本のある特定の世代の女性なら「いとも簡単」なのではないだろうか。その理由は、1990年代に日本で大ブームとなった『セーラームーン』の存在に他ならない。

 武内直子氏が手がけた『美少女戦士セーラームーン』は1992年より『なかよし』での漫画連載とテレビアニメ放送がスタートし、2022年に30周年を迎えた人気コンテンツである。

 本作で登場する「セーラー戦士」はそれぞれ「守護星」を持つのだが、それが前述した太陽系惑星。たとえば月野うさぎの守護星は「月」であり、「セーラームーン」に変身した彼女は仲間から「ムーン」呼びをされている。「水星」を守護星とする水野亜美や「火星」の火野レイも変身後は「マーキュリー」と「マーズ」と呼ばれており、さらに彼女たちの姓やイメージカラーもそれぞれの惑星と関連づけられていたため覚えやすかった。

 また「外部太陽系戦士」4人のなかで「曜日」に含まれていない「天王星」など3惑星は子どもには少々難解であったが、天王はるかや海王みちるたちのお陰で無理なく覚えた人も多いだろう。

 ちなみに、2006年に「冥王星」が準惑星に降格されたことで太陽系惑星は「水金地火木土天海(※他表現あり)」となってしまい、当時「セーラープルート」こと冥王せつなの扱いを心配する声が少なくなかったのが印象的だった。

■自分の星座を英語名で知ることができた『聖闘士星矢』

 今も昔も女性を中心に「12星座占い」は人気だが、そんな星座の“カッコイイ名前”を教えてくれたのが、1985年より『週刊少年ジャンプ』で連載されていた車田正美氏の『聖闘士星矢』だった。

 本作ではペガサス星矢の「天馬星座」やユニコーン邪武の「一角獣星座」など、星座とその「英語名」や「神話」がキャラのプロフィールとともに覚えられた。筆者は「白鳥星座」のキグナス氷河のお陰で、当時キグナス石油のマークがカモメではなく白鳥だと気づいたほど。

 なかでも「十二宮」を守護する黄金聖闘士の登場により、「12星座」の「英語名」を知ったファンは多いかと思う。例えば、黄道十二宮の1番目「白羊宮」を守護する「アリエスのムウ」は「牡羊座」の黄金聖闘士である。今まで「山羊座」や「水瓶座」だった自分の星座に、実は他にも「カプリコーン」と「アクエリアス」の呼び名があると知ったのだ。

 1995年~1997年頃に「蛇遣い星座(オピュクス)」を加えた「13星座占い」が流行り、それを受けて当時「シャイナさんが黄金聖闘士に昇格か?」と一部ファンをざわつかせた。

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