日向理恵子による長編ファンタジー小説を、監督・西村純二と構成/脚本・押井守がタッグを組んでアニメ化する、WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」(2023年1月14日(土)午後10時30分より放送・配信)。本作で首都随一の富豪、燠火家の一人娘・綺羅(きら)役を演じる早見沙織の公式インタビューをご紹介します。
■早見沙織公式インタビュー
――綺羅役を演じることが決まった際のお気持ちをお聞かせください。
やはり最初に喜びが来ましたね。原作を読ませていただいた時から、映像化されたらすごい作品になるんだろうなあ、と感じていました。私が演じさせていただく綺羅は、いろいろなことを内包している女の子で、そんなキャラクターに声を当てることができるというのが、とても嬉しかったです。そして、スタッフ・キャストの皆様もそうそうたるメンバーで…。素晴らしい皆様と一緒にものづくりができることが、とても嬉しかったです。
――原作をお読みになった際の感想は、いかがでしたか?
原作を読んだ時は「ものすごい作品に触れてしまった」という印象でした。「ファンタジー」というキーワードからイメージしていたものよりも、ずっしりとした重厚感があって、かつ生々しいリアルな感情や展開が詰まっている物語だと思いました。
――早見さんが思う、綺羅というキャラクターの魅力は?
作品が持つ世界観もあると思うんですけど、綺羅の言葉づかいがとても美しいんですよね。彼女のセリフを読み上げると思った段階で背筋が伸びたり、心が透き通るような、とても素敵な言い回しや表現が多いところが魅力的だなと思います。
――綺羅を演じる上で、意識したことはありますか?
首都でも指折りの富豪という熾火家の中で、かすかに漂う得体の知れない“何か”というものも、綺羅自身は感じているんです。そこから生まれる彼女の陰りの部分を、原作を読んだ時から、演じる上で意識しようと思っていました。
――西村純二監督や音響監督の若林和弘さんからは、どのようなディレクションがありましたか?
「柔らかさがある雰囲気で」というディレクションを、アフレコ前からいただいていました。でも、物語全体に流れる割とシリアスな空気を染み込ませすぎて、自分から出る声のトーンが無意識に重く暗いものになってしまう時もあったんです。その時に「このシーンはもっと朗らかで、もっと明るくていいんですよ」というディレクションをいただいて。その時に、綺羅というキャラクターは、作品における一種の清涼剤的な存在なんだなと、感じました。
――「火狩りの王」には、犬が人間の相棒として登場しますね。
かなたをはじめ、作品に登場するワンちゃんたちが、とても可愛いです。もちろん人間と会話することはできないんですが、彼らが感じとっている人々の機微があって。特にかなたは、その部分をアニメの中で体現してくれるキャラクターで、とても頼もしいなと思います。私が演じる綺羅は、特に犬好きっていうのもあって、ワンちゃんと戯れたりするシーンもあったりするんですね。そういう時のウキウキしてる感じは、ワンちゃんたちが引き出してくれる綺羅の可愛らしい一面だと思います。
――早見さんが思う、見どころや注目点をお聞かせください。
本当に素晴らしく唯一無二の世界観の中で、登場人物たちがそれぞれの思いを持って行動しています。。そんな彼らによる複雑な人間模様が、とってもリアルなんです。その生々しい感覚に、ぜひ注目していただきたいです。
――放送を楽しみにされている皆様へメッセージをお願いします。
物語の軸となる灯子と煌四をはじめ、本当に一筋縄ではいかないキャラクターがたくさん登場します。彼らは、いろいろなことを思いながら、物語の中で生きています。そのあたりも注目していただきつつ、「こんな未来があってもおかしくはない」という可能性が残されている世界に触れて、現代に生きる我々だからこその味わいを感じていただきたいです。2023年という新たに始まる年と共に、「火狩りの王」を楽しんでいただければと思います。
【関連記事】『メイドインアビス』小島正幸監督/富田美憂、寺崎裕香、久野美咲ら声優陣の魅力(インタビュー後編)
《番組情報》
WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」
放送・配信日:2023年1月14日(土)午後10時30分より放送・配信スタート(第1話無料放送)
毎週土曜 WOWOWプライムで放送 WOWOWオンデマンドで配信
【あらすじ】
最終戦争時に開発・使用された、人体発火病原体。その生物兵器により作り変えられた人類は、そばで火が燃えるだけで人体発火を起こし死に至る。人が、火の明るさもエネルギーも失った世界。安全に使える唯一の燃料でもある、異形の獣たち“炎魔”の体液を集める“火狩り”が、生き残った人々の生活を支えるなか、彼らの間でこんな噂がささやかれるようになっていた。「最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空を彷徨っていた人工の星、〈揺るる火〉が、帰ってくる。そして、〈揺るる火〉を狩った火狩りは、〈火狩りの王〉と呼ばれるだろう」
ある日、薬を探すために結界に守られた村から森に入り込んだ11歳の少女・灯子。彼女は、突然現れた炎魔に襲われるも、見知らぬ火狩りの男・灰十に救われる。しかし、灰十は“狩り犬”かなたと、金色に光る鎌、そして守り石を遺して命を落としてしまう。
時を同じくして、わずかに残った文明を頼りに人々が暮らす首都で生まれ育った15歳の少年・煌四は、いつ帰るかわからない父の代わりに、工場毒で死んだ母を見送る。生まれつき病弱な妹・緋名子をたった一人で守らなければならなくなった彼は、ある計画に力を貸すことを決意する。灯子と煌四。運命に導かれた二人の出会いが、世界の秘密を明らかにしていくことになる――。
■キャスト
灯子:久野美咲
煌四:石毛翔弥
明楽:坂本真綾
炉六:細谷佳正
綺羅:早見沙織
緋名子:山口愛
クン:國立幸
照三:小林千晃
火穂:小市眞琴
油百七:三宅健太
火華:名塚佳織
焚三:宮野真守
灰十:三木眞一郎
紅緒:原優子
ほたる:宮本侑芽
炸六:真木駿一
炎千:上田燿司
火十:綿貫竜之介
ヤナギ:大原さやか
キリ:嶋村侑
ひばり:石田彰
語り:榊原良子
■スタッフ
原作:日向理恵子(「火狩りの王」ほるぷ出版 刊)
キャラクター原案:山田章博
監督:西村純二
構成/脚本:押井守
キャラクターデザイン:齋藤卓也
総作画監督:齋藤卓也・黄瀬和哉・海谷敏久
エフェクト作画監督:小澤和則
イメージイラスト/プロップデザイン:岩畑剛一
美術設定:中島美佳
メカニックデザイン:神菊薫
クリーチャーデザイン:松原朋広
美術監督:小倉宏昌
色彩設計:渡辺陽子
筆文字:勝又まゆみ
劇中画:水野歌
CG監督:西牟田祐禎
CG制作:レイルズ
タイトルデザイン/2Dワークス:山崎真紀子
特殊効果:櫻井英朗
撮影監督:荒井栄児
編集:植松淳一
監督助手:菅野幸子
音楽:川井憲次
音楽制作:フライングドッグ
音響監督:若林和弘
音響制作:プロダクション I.G
アニメーション制作:シグナル・エムディ
■楽曲
オープニングテーマ:「嘘つき」家入レオ(ビクターエンタテインメント)
エンディングテーマ:「まだ遠くにいる」坂本真綾(フライングドッグ)
公式サイト:http://hikarinoou-anime.com/
公式Twitter:@HikarinoOuAnime
Ⓒ日向理恵子・ほるぷ出版/WOWOW