■日常系ハーレムものと思いきや…突如急展開
続いては『ひぐらしのなく頃に』などのパッショーネが手がけるオリジナルアニメ『恋愛フロップス』。一人の平凡な主人公が、5人の個性的な少女たちと繰り広げる恋愛模様……というあらすじから、第1話が始まった当初は「ハーレムもの」という印象で見ていたが、このアニメが7話後半、8話からとんでもない急展開を見せている。
それまでは1話は彼女たち全員との出会いと世界観の説明、その後各ヒロインのお当番回で、それぞれがお色気シーンも混ぜつつ魅力を堪能させて……と日常系ハーレムアニメの流れだったが、第7話水着回の後半に突然ヒロインたちが全員消滅。
実は彼女たちがすべてAIで、これまで過ごした世界はVRのものだったということが明かされたのだ。
まさかの展開に、すっかり目が離せなくなってしまっている。不自然でご都合主義に思えたアレもコレも、最初から仕組まれたものだったのだ。
この怒涛の展開まで待てた人だけが得られる興奮ということで、序盤で視聴をストップしている人もいるかもしれないが、ぜひ今からでも前半と後半の作品の温度差に触れてもらいたい。いったいここからどのような決着を迎えるのか。原作がない、オリジナルアニメならではの楽しみだろう。
■ラブラブ姿をひたすら見せつけられる異世界ラブファンタジー
最後は「本好き令嬢の勘違いラブファンタジー」と銘打たれている『虫かぶり姫』。前半は「勘違い」のキャッチ通り、令嬢・エリアーナと王太子・クリストファーの行き違いぶりが楽しいアニメだったが、中盤以降は二人が結ばれ、ラブラブっぷりをひたすら見せつけられる展開になってきている。
昨今、こういったファンタジー系作品は「異世界転生」ものが多く、現代人がファンタジー世界に飛ばされてその生活を謳歌する流れが主流だが、本作は異国ファンタジーが主体なところが珍しい。そのうえ物語がゴリゴリの少女漫画的な展開で、刺激的な作品が次々と作られている中で、そのシンプルさを新鮮に感じる視聴者は多いのではないだろうか。
1話ずつ見るよりも、一気見して没入して二人の関係性を楽しみたい作品でもある。エリアーナとクリストファーの恋愛の行方を見守り、その世界で起こる出来事を追う。年末にぜひ異世界ラブファンタジーを堪能してもらいたい。
『うる星やつら』『BLEACH 千年血戦篇』『チェンソーマン』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『ぼっち・ざ・ろっく!』など話題作が溢れかえっている今期のアニメ。その中でも取りこぼしてほしくない作品も数多くある。ぜひ次クールアニメが始まる前にチェックしてもらいたい。