「“新しい時代”に懸けて来た…」いまだ謎多き男…『ONE PIECE』の四皇“赤髪のシャンクス”の名シーンを振り返るの画像
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 2022年8月6日に公開された『ONE PIECE FILM RED』。原作者の尾田栄一郎氏が総合プロデューサーとして監修する“FILMシリーズ”として4作目にあたる本作は、序盤から登場するもののその素性はベールに包まれている“赤髪のシャンクス”と、“シャンクスの娘・ウタ”に、スポットライトが当てられた作品になっている。

 シャンクスといえば「四皇」の一人として名を馳せる大海賊であり、作中でも屈指の強さを誇るキャラクターでファンからの人気も高い。今回は、シャンクスが作中で見せる“カッコよすぎる名シーン”をあらためて紹介しようと思う。

■“全ての始まり”となる名シーン「この帽子をお前に預ける」

 フーシャ村を訪れていたシャンクス率いる“赤髪海賊団”と、村の少年・ルフィの出会いから、『ONE PIECE』の壮大な物語は始まった。

 シャンクスに影響され海賊に憧れを抱き、大きな夢を持つことになったルフィ。そんな彼にシャンクスが託したのが、“大切な麦わら帽子”だった。

 フーシャ村をあとにしようとするシャンクスに「海賊王になってやる!!!」と、ルフィは叫ぶ。彼を見たシャンクスは「ほう…!! おれ達を越えるのか」と目を輝かせ、「じゃあ…」「この帽子をお前に預ける」と、ルフィの頭に麦わら帽子をかぶせた。そして「いつかきっと返しに来い」「立派な海賊になってな」と続けるのだ。

 シャンクスはこのあと、「あいつは大きくなるぜ」と言う仲間からの言葉に「ああ なんせ おれのガキの頃にそっくりだ」と答えている。このときはまだ幼さが残るルフィだったが、きっと未来での活躍を予見していたのだろう。

 この約束のあと、ルフィは“麦わら海賊団”を旗揚げし、確実に大海賊への道を歩んでいく。今やトレードマークにもなっているルフィの“麦わら帽子”だが、いつか約束を果たし2人が再会する日が訪れるのを心待ちにしているのは筆者だけではないはずだ。

■海軍さえも従わせてしまう迫力「この戦争を終わらせに来た!!!」

 シャンクスが只者ではない存在だとわかる名シーンが、コミックス59巻第579話にある。

 「頂上戦争編」とされるこのエピソードは、海軍と海賊の歴史に残る大戦争となった。この頂上戦争により、“白ひげ海賊団”の船長である“白ひげ”ことエドワード・ニューゲートと、2番隊隊長のポートガス・D・エースが命を落とすという衝撃の展開を迎えたことで、記憶に強烈に刻まれている人も多いだろう。

 その際、海賊たちは白ひげとエースが死してなお士気を下げることはなく、また海軍も黒ひげやルフィといった危険な海賊たちが揃っている場で好機を逃すものかと自軍の犠牲も顧みずに戦っていた。

 そんな無意味な戦いの様子を見て「もうやめましょうよ!!!」「命がも゛ったいだいっ!!!!」と、海兵のコビーが声をあげるも「正しくもない兵は海軍にゃいらん…!!!」と、無慈悲にも彼を殺そうとする海軍大将・赤犬。そのとき、赤犬の前に立ちはだかりコビーに向けられた一撃を止めたのが、シャンクスだった。そして「この戦争を終わらせに来た!!!」と宣言する。

 実際にシャンクスの登場をもってこの頂上戦争は終結し、無事に逃げおおせたルフィも一命を取り留めることとなった。

 このときシャンクスは意識のないルフィに、「今 会ったら 約束が違うもんな ルフィ」とあえて再会を選ばないのだが、その男前な対応も彼らしいカッコ良すぎる演出だった。

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