『ガンダム』シリーズ主人公の成長を支えた“頼れる兄貴キャラ”3選! これが漢の生き様の画像
アニメ『機動戦士ガンダム』DVD第1巻(C)創通・サンライズ

 ガンダム作品の多くは主人公が子供である。現在放送されている『機動戦士ガンダム  水星の魔女』の主人公スレッタ・マーキュリーも、アスティカシア高等専門学園のパイロット科2年生(実年齢については明かされてない)だ。

 戦争に翻弄されながら、子供である主人公が成長していく過程も、ガンダム作品の魅力である。そして、主人公の成長において欠かせないのが主人公を取り巻くキャラクターたち。今回はその中でも、兄貴分として主人公とかかわった選りすぐりのキャラクターを紹介していく。

■ガンダム兄貴キャラの元祖

 最初に紹介するのは『機動戦士ガンダム』よりスレッガー・ロウだ。第31話「ザンジバル追撃!」で初登場したスレッガーは、ホワイトベース隊に配属早々、「俺もついてきたな。こんな綺麗なお嬢さんとご一緒できるなんて」とミライ・ヤシマに言い寄り、お調子者らしさを見せつけた。

 第32話「強行突破作戦」ではザクレロとの戦闘を終えたアムロ・レイを「どうした? 立て続けの出撃で疲れたのか?」「当面の敵は片づけたんだ。焦る必要はなかろうて」と労うシーンが見られる。自身は正規の軍人で、民間人から軍人になったアムロを気遣う兄貴分らしい一面だ。そうかと思えば、セイラ・マスと仲良く会話しようとしたところをアムロに咎められ「生意気だねぇお前」と軽口を叩く様子も見られた。

 そんなスレッガーだが、第36話「恐怖!機動ビグ・ザム」で圧倒的火力を誇るMAビグ・ザムに対し、死を賭した強行突破を決行する。「私情は禁物よ。奴の為にこれ以上の損害は出させねぇ。悲しいけど、これ戦争なのよね」このセリフは自身の死を覚悟し、アムロにビグ・ザムの撃破を託した名言だ。スレッガーはビグ・ザムの対空防御を食らい宇宙に投げ出され戦死した。しかし、スレッガーの強行突破の甲斐もあり、アムロのガンダムはビグ・ザム撃破に成功する。

 お調子者で兄貴肌のスレッガーは視聴者からの人気も高い。だからこそ、彼の最期は悲しく、男の生き様あふれる名シーンなのだ。

■ガンダム作品随一の狙撃手兄貴

 次に紹介するのは『機動戦士ガンダム00』(シーズン1)よりロックオン・ストラトスだ。ロックオンは主人公の刹那・F・セイエイが所属するソレスタルビーイングの一員であり、主人公たちと同じくガンダムマイスター(ガンダムパイロット)である。作中では主人公を含むガンダムマイスターのまとめ役、兄貴分として描かれることが多く、年齢も24歳とガンダムマイスターの中では最年長だ。

 ロックオンは第1話「ソレスタルビーイング」で敵増援に囲まれた、刹那のガンダムエクシアを狙撃で支援する。「こりゃさすがの刹那でも手を焼くか。なら、狙うとしようか。行こうぜ。ガンダムデュナメスとロックオン・ストラトスの初陣だ」という初登場時のセリフは、刹那を気遣う兄貴分らしい言葉だろう。

 第23話「世界を止めて」では、アリー・アル・サーシェスのガンダムスローネツヴァイとの交戦で被弾し、戦闘不能状態になったガンダムデュナメスから脱出。生身でGNアームズを使い、ガンダムスローネツヴァイを狙撃するが、反撃に遭いGNアームズの爆破に巻き込まれ死亡する。死の間際「刹那。答えは、出たのかよ」と最期まで不安定な刹那を気遣う兄貴肌なところが見られた。母艦プトレマイオスに響くハロの亡きロックオンを呼ぶ音声と、エンドロールで流れる刹那がロックオンに散髪してもらう映像は、視聴者の心に強い衝撃と悲しみを与えた。

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