■これも天然ゆえ…? 知らない間になり代わられていたりも…
最後は、『新テニスの王子様』のアニメ限定エピソードである「ヒミツの王子様」から。
跡部には、樺地崇弘(かばじ・むねひろ)という無口な幼馴染がいる。彼は跡部を尊敬しており、1歳年下なこともあってか従順だ。いつも一緒にいる2人は今回の合宿でも同じ部屋に振り分けられるかと思いきや、樺地は“コート上のペテン師”の異名を持つ仁王雅治と相部屋になり、跡部とは別の部屋になってしまう。すると、仁王は跡部になり代わるかの如く“仁王王国”を築き上げ、樺地を操っていくのだ。
その後、食材を奪い合うために中学生組の間で枕投げが始まるのだが、ここに跡部と樺地&仁王も参加。
跡部は自分の肉が奪い合われていると思い込み、「あーん。頼んだはずの俺様のシャトーブリアンが届かないと思ったら、横取りしてる奴がいるとはなぁ。樺地、雑魚はまかせたぞ」と、背後にいた樺地に伝えるのだが、さらにその背後には仁王の姿が……。そして仁王は「樺地、俺様の焼き肉を奪う奴は容赦するな。プリッ」と、樺地のモノマネ技を操り出したのだ。(さすがペテン師)
樺地は「ウス」といつものように言うと、なんと枕を跡部へ投げつけた。いつもは従順な樺地から裏切られたショックもあってか、結局、跡部は枕をぶつけられた後、気を失ったままその場に君臨していた。
そもそも部屋割りの時点から「仁王が跡部に化けていた説」もあるこのエピソード。知らない間に騙されていたりするのも、“お坊ちゃんゆえの天然さ”かもしれない(そもそも一番の天然は樺地かもしれないが)。
跡部といえば「俺様の美技に酔いな!」など、クールでナルシストともいえる名言が多い。いつだって本気な跡部は、すべての言動が天然ものだからこそ、くすりと笑ってしまうような愛おしい名言を生み出すのだろう。
さまざまな視点から楽しませてくれる『テニプリ』。これからも期待して新刊を待ちたい。