■ヒーローと言えばやっぱり蹴り技!!『炎炎ノ消防隊』森羅日下部

 バトル漫画では格闘術と能力を組み合わせて戦うキャラクターも少なくはないが、『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載された大久保篤氏による『炎炎ノ消防隊』にも、身に着けた能力によって多彩な蹴りを放つキャラクターが登場する。

 主人公・森羅日下部は、「足から炎を発生させる」というシンプルながらも強力な能力を持っており、これを利用して強敵たちと戦っていく。炎の勢いを利用して高速移動することはもちろん、空中を自在に移動することもできる。

 また、日下部はこの炎の力を「蹴り」にも活用しており、ジェットのような推進力を用いた蹴り技だけでも凄まじい威力を誇る。また、足の一点に炎を集中して蹴りを放つ「ラピッドマンキック」や、かかと落としのように蹴りを放ち、火柱を上げる「悪魔の型(コルナ)」といった必殺技も身に着けていく。

 ちなみに、彼が「蹴り」を主体に戦う理由は「ヒーローは蹴り技で戦うもの」という信条が理由となっているらしい。どこか子どものような純粋な考え方だが、これこそが日下部が前に進むための確固たる原動力となっているのだ。

 炎によって空を駆け、邪悪な敵を蹴り飛ばすその姿は、まさに人々にとっての「ヒーロー」と言えるだろう。

 

 長い足を利用して、優雅に、ときに奇抜に繰り出される蹴り技の数々は、見る者を惹きつけ魅了する。威力が高い点はもちろんのこと、手を汚さないため、憧れのためなど「足技」を主体として使う理由はキャラクターごとにさまざまだ。

 劇中にて彼らが放つ鮮やかな「蹴り」の数々は、バトル漫画における見どころの一つといえるだろう。

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