漫画やアニメの世界にはさまざまな“異能”が登場するが、なかでも“目にまつわる能力”は数多い。相手の技を見切ったり、ほかの人には見えないものを見たりと、使い方次第でいくらでも応用が効くという印象だ。また単純にビジュアル的なインパクトが強いものも多く、見ているだけでワクワクする。
しかし強力で便利な能力は、その反面、対価を求められることも少なくない。そこで今回は、多大な代償と引き換えに得られる“特別な目”について紹介していこう。
■開眼の条件は強い精神的ストレス!『NARUTOーナルトー』写輪眼
少年漫画に出てくる特別な目といえば、やはり岸本斉史氏の『NARUTOーナルトー』(集英社)に登場する“写輪眼”が真っ先に思い浮かぶ。紅い瞳に黒い勾玉模様が浮かぶというビジュアルで、どことなく幼心をくすぐるカッコ良さがある。
写輪眼は作中で最強と称される“うちは一族”に固有の能力で、敵の術を見切ったり、使用者の力量によってはコピーしたりできる。ただし開眼には条件があるため、一族の者が全員この目を使えるわけではない。
その条件となるのが、“愛情の喪失”をはじめとしたショッキングな出来事により、深い悲しみや怒りを感じること。たとえば主要人物であるサスケの場合は、幼いころ一族を皆殺しにされたことで写輪眼の力に目覚めている。
さらに写輪眼が進化した“万華鏡写輪眼”の場合、よりいっそう強い精神的ストレスが必要となる。サスケの兄・イタチの言葉を借りれば“最も親しい友を殺すこと”が必要になるが、作中での描写を見るに、親しい人間と死別し負の感情に飲まれることが引き金となっているようだ。
このような性質ゆえか、うちは一族の人間は精神に異常をきたしたり闇落ちしたりすることが少なくない。非常に便利で強力な一方で、払う代償が大きすぎてなかなか厄介な能力である。むしろ目覚めないほうが幸せなこともあるのかもしれない……。
■能力のわりに対価が大きすぎ!?『DEATH NOTE』死神の目
原作・大場つぐみ氏、作画・小畑健氏による『DEATH NOTE』(集英社)には、“死神の目”が登場する。これはその名の通り死神が持つ目で、顔を見た対象の本名と残り寿命を知ることができるというもの。本作のキーアイテム――名前を書いた相手を殺せる“デスノート”をフル活用するためには、欠かせない能力だともいえるだろう。
この目は死神だけでなく、人間でもデスノートの所有権を持っていれば、死神と特別な契約を交わすことで使用できるようになる。取引は数秒で終わり、死神・リュークも“コンタクトを入れるのと替わらない”とおすすめしていた。前述の能力のほか、視力が3.6以上になるという地味に便利なオプション(?)がついているのも魅力だ。
ただし、当然代償もあり、契約者は自身の残りの寿命の半分を対価として払わなければならない。デスノートの使用者にとって“本名を知る”のは何より大事なことではあるため、そういう意味で死神の目は作中最強の力ともいえるだろう。
とはいえ、単純に得られるのが“本名と寿命を知る能力”と“人間離れした視力”だけ……と考えると、寿命半分はいくらなんでも高すぎるのではないだろうか。まあ死神との取引に公平さを求めること自体が間違いなのだろうが。