■ペアで打つ囲碁と個性派ぞろいのキャラから目が離せない!『群舞のペア碁』

 漫画:高木ユーナ氏、監修:藤沢里菜 女流本因坊による『群舞のペア碁』は、男女ペアで対局する形式の実在の競技「ペア碁」を題材にした囲碁漫画である。プロ棋士を目指すもなかなか結果を出せない男子高校生・群舞が、最後のチャンスとしてペア碁の世界に飛び込み、幼なじみののぞみとともに才能を開花させていく物語だ。

 群舞は極度のあがり症のせいで普段は誰が相手でもボロ負けなのだが、はじめてのペア碁でのぞみとともに戦ったときは、囲碁に集中して実力を発揮することができた。主人公がひとりではなく、“信頼できる誰かと一緒に戦うことで強くなれる”というのは、少年漫画の王道を思わせるものがあり、かなりアツい! 彼ら以外にも濃いペアが多数登場し、それぞれのコンビネーションで魅せてくれるのもペア競技であるペア碁ならではだろう。

 本作でも囲碁は“究極の心の対話(コミュニケーション)”と言われており、囲碁を愛する人々のドラマがていねいに描かれている。友情に家族に恋愛に、さまざまな要素が盛りだくさんなので、ヒューマンドラマとしてもがっつり楽しめるはずだ。現在、第3巻まで発売中だが、笑いあり涙ありの展開から今後も目が離せそうにない!

 

 知力を競うゲームであると同時に、誰かとつながるコミュニケーションツールでもある囲碁。今回はそんな囲碁を愛する人々の姿がていねいに描かれている漫画を3作品紹介してきた。彼らが夢中になっている姿を追いかけるうち、いつの間にか囲碁について知りたくなってしまう人も少なくないはず。「やりたい!」と思い立ったが吉日、まずはゲームやネット対局などで気軽に楽しんでみるのもおすすめだ。

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