漫画の主人公というのは、さまざまな存在から命を狙われるものだ。彼らは腕力だけでなく知力で勝負するタイプもいて、ラスボスのような相手ではなく脇役だとしても十分に脅威となり得る。
そこで一歩間違えれば主人公の命を落としかねない、恐ろしい脇役たちを紹介していこう。
■手に触れればたちまち人参に変化!『ドラゴンボール』の「兎人参化」
鳥山明氏の『ドラゴンボール』(集英社)に登場するライバルたちは、主人公の孫悟空の命を脅かす存在ばかりだ。のちに仲間となるピッコロや天津飯、ベジータなども、もともとは驚異的な敵だった。
しかし、初期に登場する兎人参化(と・にんじんか)も、けっこう厳しい敵キャラだと思う。なんせ、手に触れた相手を人参に変えてしまう特殊能力を持っているのだ。
よくよく考えると恐ろしい技ではないだろうか。ブルマが先に人参となってしまったので悟空は兎人参化を敵として認識したが、初期のころの悟空は純粋そのものだったので、握手しようと言われたら素直に人参となっていただろう。危うく物語が終わってしまうところだった。(ただ、人参となっても悟空は強そうだが……)
最終的に兎人参化は悟空にやられ、お仕置きとばかりに如意棒で月に送られて嫌いな餅をついていた。あれ? でも天下一武道会の時に、月はかめはめ波を喰らって消滅していたような……。宇宙のどこかで生き延びていることを願うばかりだ。
■金田一少年も死ぬところだった!IQ180の天才児「クリス・アインシュタイン」
天樹征丸氏・金成陽三郎氏(原作)、さとうふみや氏(作画)による本格ミステリー漫画の『金田一少年の事件簿』(講談社)では、主人公・金田一一も殺されかけ、危うく命を落とすところだった。
相手は、ファイル5の秘宝島殺人事件で登場するIQ180の天才少年クリス・アインシュタインだ。
クリスは13歳ながらコロンビア大学の博士号を取得しているほどの天才児。言葉巧みに金田一を間欠泉に誘導して、12時になると吹き上がる120度の熱蒸気を浴びせようとしていた。
何も知らない金田一は間一髪のところで美作碧に助けられるが、その光景を眺めていたクリスは「ちっ 運のいい奴だ!」と吐き捨てる。いやいや、殺意あり過ぎだろう。地獄の傀儡師にスカウトされてもおかしくないとんでもない人物だ……。