■先輩としてアドバイスを送っていた巨悪
岸本斉史氏による『NARUTO -ナルト-』に登場する薬師カブトも、かなり裏表の激しいキャラである。ナルトたちの中忍試験で現れた先輩忍者・カブト。何度か中忍試験に挑戦しているが合格できないと話し、先輩としてナルトたちにアドバイスをしていた。
人の良い忍者で、大した実力もないキャラと誰もが思ってしまう。しかし彼の本性は9歳頃から五大国を渡り歩くスパイ。大蛇丸の直属の部下として、木ノ葉隠れの里で諜報活動をしていたのだ。
カブトは、そのまま中忍試験に参加しながらナルトやサスケを監視。時には手助けをして試験脱落の手助けもしている。第三次試験まで進み、大蛇丸の動きを見て負傷を理由に棄権して身を引くが、その段階でも決して怪しまれていない。
正体がバレたのはサスケの病室への侵入時だった。大蛇丸に命じられてサスケの身柄の確保を試みると、待機していたカカシと戦闘になり本当の実力を見抜かれてしまったのだ。そしてサスケを持ち帰ることが出来ないと判断し、そのまま退却して姿を消すことになる。
カブトはその後、第四次忍界大戦勃発にも一役買っているので、一時で終わる小者ではなく巨悪の存在と言えるだろう。
先輩ヅラした優しそうなキャラには、どこか裏がある。何も知らない相手に甘い言葉で近づき、情報や金を騙し取る……まるで詐欺師の手口だ。話術も巧みなので見ている側も、つい騙されてしまうだろう。