■毒では死なない…どころか回復も!?『SPY×FAMILY』ヨル・フォージャー

 最後に紹介するのは、遠藤達哉氏による『SPY×FAMILY』のヒロイン、ヨル・フォージャーだ。彼女は市役所で働いており、どこにでもいる一般人に見えるが、実は裏の顔は殺し屋だ。コードネームは“いばら姫”で、日々国を裏切る不届き者の始末をせっせとこなしている。

 彼女は華奢な見た目に反して並外れて力が強く、車を蹴り飛ばしたり、料理を作ろうとして材料をまな板ごと切ってしまったりと、戦闘時はもちろん日常生活でそのぶっ飛びっぷりを見せつけることもしばしば。

 鋼の肉体の持ち主でもある彼女は、任務中に銃でお尻を撃たれたときにも自分で処置をして普通に家に帰っていた。さすがに痛かったのか表情は険しいが、“寝れば治る”などと楽観的に考えているあたり、彼女の頑丈さと天然っぷりがよくわかる。

 さらにその翌日、ヨルはロイドに誘われデートに出かけることになるのだが(この時点ですごい)、ディナーの際に事件は起こってしまう。

 ヨルによって壊滅させられた組織の残党が、隙を見て彼女を毒殺しようとしたのだ。そうとは知らず提供されたフグ毒を飲み干してしまったヨル。しかし驚くべきことに、彼女はその直後「お尻の痛みが引いて楽になった気がします…!!」と顔を輝かせる。そう、ヨルは毒に対する耐性を持っていたのだった。

 致死量の毒が転じて薬になってしまうとは、いやはや恐ろしい。残党の人もわざわざ毒を用意してきたのに、なんだかお気の毒である。

 

 “毒が通用しない”という強みを持つ暗殺家キャラたちは、それぞれ細部は違えどぶっ飛んでいることには変わらないようだ。彼らの人外っぷりは作中でたびたび炸裂しているので、ぜひ実際に作品を読んで楽しんでみてほしい。

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