漫画の世界に登場する「殺し屋」は、いろいろな意味で常人離れしていることが多い。過酷な訓練を積んだ結果、ほかの人間であればありえない体質になってしまうこともしばしばだ。そのなかでも“毒が通用しない”というのは、一種の定番ネタだといえるだろう。
そこで今回は、“毒では殺せない”という設定のある「殺し屋キャラ」を3名挙げ、それぞれのぶっ飛びっぷりについて紹介していきたい。
■“家庭の事情”で毒も電流も効かない!『HUNTER×HUNTER』キルア
常人離れした体質や能力を持つ「殺し屋キャラ」の代表格ともいえるのが、冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』に登場するキルア=ゾルディックである。
彼は伝説の暗殺一家と名高いゾルディック家の生まれで、小さいころから暗殺者になるべく英才教育を受けてきた。とはいえ本人はその道を望んでおらず、紆余曲折のすえにハンターとして生きることに。
本人の意志はさておき、キルアには殺し屋としての素質が十二分に備わっている。殺しの能力や技能はもちろん、幼少期から積んだ過酷な訓練のおかげで、毒や電流が効かない体質になっているのだ。下剤入りジュースをがぶ飲みしてケロリとしていたり、「強力な電気か」「生まれた時から浴びてたぜ 家庭の事情でね」とドヤ顔で言ったりする姿が印象に残っている方も多いのではないだろうか。
そのほか、キルアは肉体を操作して自身の爪を“ナイフより切れる”状態にし、すれ違いざまに素手で敵の心臓を抜き取ることまでできる。それでも彼曰く「オヤジはもっとうまく盗む」とのことなので、ゾルディック家恐るべしとしか言いようがない。
■感覚を敏感にしすぎた結果猫舌になってしまった『ザ・ファブル』ファブル
南勝久氏による『ザ・ファブル』の主人公であるファブルこと佐藤明(偽名)は、裏社会の人間にも都市伝説扱いされている凄腕の殺し屋だ。彼は幼いころから殺し屋組織のボスに育てられ、殺し屋としての天性の才能に磨きをかけてきた。その強さは“どんな相手も6秒以内に仕留める”とまで言われており、格闘術や銃器の扱いも並大抵のものではない。
そんな明は鋭敏な感覚の持ち主でもあり、敵の視線や隠しカメラに気付いたり、自身の舌で毒を見極めたりすることができる。実は彼には猫舌という弱点があり、たいして熱くないものを食べるときでもしょっちゅう「あっつっっ!!!」とダメージを受けているのだが、これは舌の感覚が鋭すぎるゆえのこと。訓練のために何度も山に放り出されるうち、彼は食べていいものと食べてはいけないものを自分の感覚だけで判断できるようになったというのだ。
まあ毒に気付かずダメージを受けるよりは、猫舌なせいで舌に火傷を負ったほうが何百倍もマシだろう。それにしても最強の殺し屋が熱い食べ物に悶絶している姿は、ギャップがすごすぎて何度見てもクスリとしてしまう。