『機動戦士ガンダム』「ゾック」に「ザクレロ」満を辞しての登場も瞬殺…もう少し活躍を見たかったジオンのかわいい機体たちの画像
バンダイのプラモデル『1/550 ザクレロ』パッケージより

機動戦士ガンダム』に登場するジオン軍の機体には一風変わったものも多く、コアなファンがいる。中でもひと際目を引くのは、それまでには出てこなかったMS・MAの概念を覆すような形状や色をしている機体だが、一様にしてこれらは戦場に出てきて即刻撃墜されてしまうことが多い。

 奇抜なものの、見方を変えれば非常にかわいらしい見た目をしているジオンの機体が「ガンダム」のような、圧倒的性能を持つMSにあっけなく撃破される姿は哀愁さえ感じる。今回はそんな満を持して登場したのにも関わらず、瞬殺されていった「もう少し活躍を見てみたかった」機体たちを振り返っていきたい。

■シャア・アズナブルでさえ酷評した異形のMS「ゾック」

『機動戦士ガンダム』第29話に登場した「ゾック」は、大きなタマゴに手足を生やしたようなお世辞にもカッコいいとは言えないデザインの機体である。左右の指は3本で、おまけに頭部が大きくクチバシのようなものまで生えていて凶暴さはなく、どことなくかわいらしい。

 MSといえば人型であり、2足歩行するものが大半なのだがゾックは2つの足を有しているが2足歩行ができない。原因は大型のジェネレーターを搭載したことにより、機体が肥大し重量オーバーになったためとも言われる。MSではあるが「局地専用メガ粒子移動砲座」として小型のMAとして位置づけられているのだ。

 29話で一番最初に登場するMSであるゾック。その際軍人から「水陸両用、ジャンプ力はザクの数倍だと」と紹介されているが、歴戦の軍人であるシャアにはあまり強そうに見えなかったようで「ふーん……あれがか? 見かけ倒しでなけりゃいいがな」とその会話は締めくくられる。

 ジャブロー戦における活躍はまずまずで、ゴッグ2機を従えて、偵察に赴きジャブロー基地の入り口を発見するなどしており功績は大きい。しかし戦闘面では重量により機動性の低さが弱点になっており、シャアの撤退を援護してガンダムに大量にメガ粒子砲を放ったが、全て回避されてしまいビームライフル一発で撃破されてしまった。

 結局メインウェポンであり、ゾックの売りでもあった大量に搭載されたメガ粒子砲はあまり活躍する機会はなかった。シャアの撤退を援護することもできずに一撃で散った悲しいMSである。

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