「七人目のミイラ」に「雪夜叉」も…『金田一少年の事件簿』の恐ろしすぎた「怪人」の犯行3選!堂本剛ドラマ版で“より怖く”なった事件も!?の画像
講談社漫画文庫『金田一少年の事件簿』File03・書影より(講談社)

週刊少年マガジン』での連載当時、ドラマ化やアニメ化もされ数多くの少年少女にトラウマを植えつけた漫画『金田一少年の事件簿』。凄惨な連続殺人事件が多く描かれている背景には、犯人たちの目的の多くが「被害者たちに対する復讐」であることが大きいだろう。また、犯人たちが仕かけるトリックに被害者の死体が使われることも『金田一』の事件の特徴に挙げられる。

 しかしそうした背景があっても怖いものは怖く、はじめて『金田一少年の事件簿』を見た子どもたちが恐怖に突き落とされたのは言うまでもない。そこで今回は、筆者が特に恐怖を感じた怪人を振り返りたい。

■「人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じ」

 まずは異人館村殺人事件より「七人目のミイラ」こと六星竜一。彼は、金田一一の担任・小田切進として生活しながら、かつて彼と彼の母親にされたことの復讐を計画していた。

 その舞台となったのが、六角村。異人館村の各家に保管されている体の一部が切り取られたミイラや、村から漂う不気味な雰囲気に、事件前から恐怖を感じた読者も少なくないのではないだろうか。

 当初、第一の被害者として発見された時田若葉は、首がない状態でウェディングドレスを着たまま寝かされていた。他の被害者たちも、体の一部が切り取られており、その被害者数はなんと9名。『金田一少年の事件簿』において最多被害者数となった凄惨な連続殺人事件となったのだった。

 トリックのためであるといっても、被害者の体の一部を切り取る残虐性は、あまりに恐ろしい。また、六星の「人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ。ちょいとナイフをひねりゃあっという間だ」というセリフと本性を現した彼の冷たい眼差しに、背筋が凍るような恐怖を感じたのは筆者だけではないだろう……。

■殺害方法が恐ろしすぎた「亡霊兵士」

『金田一少年の事件簿』の中でも、筆者が子どものころに最も恐ろしかったのが、名前からしておどろおどろしい「墓場島殺人事件」。怪人の名前もこれまた恐ろしい「亡霊兵士」というものだった。

 クラスメイトの森下麗美の提案を受け、一と美雪たちは、夏休みを利用して沖縄へ行くことに。そこで偶然、かつて戦地だった無人島でサバゲーを楽しむ大学生たちと出会うのだが、凄惨な殺人事件に巻き込まれてしまう。

「亡霊兵士」である森下と大学生の一人・檜山は、非常にグロテスクな方法で6人を殺害した。第一の事件の被害者である3人は、爆弾で爆殺されてバラバラ死体に。第二の事件・第三の被害者は、防空壕の中で、寝袋の中で銃剣で首を一突きにされて絶命。さらに、「亡霊兵士」として生き残りの日本兵に仕立て上げられていた被害者は、毒入りカプセルによって毒殺されている。

 戦場だった玉砕の島の物々しい雰囲気と、生き残りの日本兵に追われているのかもしれないという恐怖に、小学生だった筆者は夜眠れなくなったのをよく覚えている。

 特に覚えているのは、堂本剛が金田一を演じたテレビドラマ第2シーズンだ。さらに残虐な殺害方法へとアレンジが加えられていたり、殺害の演出がとにかく怖かった。今なお映像が頭に浮かんでしまうファンは多いに違いない。

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