■サバイバルのスペシャリストで保険調査員…そんな男の夢は…『MASTERキートン』平賀=キートン・太一
最後は「考古学キャラといったらこの人物!」と言えるほどの定番キャラである、平賀=キートン・太一を紹介したい。
浦沢直樹氏、勝鹿北星氏、長崎尚志氏による『MASTERキートン』の主人公・キートンは、一見どこにでもいそうなサラリーマンのように見えるが、かなり変わった凄い経歴を持つ男だ。
オックスフォード大学を卒業し、イギリスの軍隊SASに入隊後、さまざまな任務で活躍して功績を挙げていたキートン。サバイバルにおいては教官になるほどのスペシャリストだ。
そんな男がどうして考古学?と思ってしまうかもしれないが、キートンのたっての夢は考古学者なのだ。恩師のユーリー・スコット教授のような考古学者を目指していたが、回り道をしてしまい、軍隊を退役した後に再びその夢を叶えようとする。
しかし、現実はそう甘くなくロイズの保険調査員で生計を立てる傍ら、考古学の論文を書いたり講師などをしている。ちなみに、調査員としても優秀で、“探偵”としての才能も評価されており、それは皆が知るところだろう。
キートンは普通の考古学者ではない。砂漠に放置されたり、閉じ込められたり、銃撃されたりと、どんな過酷な状況になっても生き抜けるスキルを持つ。
終盤で小さな村が軍隊によって襲撃されることになるが、それも村人を戦闘要員に変えて指揮を出すことで食い止めたりもしている。もしキートンのようなユニークな考古学者が現実にいたとしたら……誰もが憧れてしまうのではないだろうか。
「考古学キャラ」というと、なんとなく地味なイメージを持つ人も多いだろう。しかし、漫画のストーリーを大きく動かす存在であったり、とんでもないスキルを持って戦う者もいる。そんなギャップがあるからこそ、作品が盛り上がるのだろう。
それと同時に彼らが登場することで「古代人が何をしたのか」「どんな歴史があったのか」ということを知るきっかけになることも。そんな考古学キャラたちを見ていると、なんだかワクワクしてしまう。