■能力に制限を設けることで物語が展開する

双葉社・Aさん 僕はぶっちゃけ最初は「創造」の能力が最強だと思っていたんですよ。何でも好きな能力や物を作れるっていう分、うまくやらないと話が動かなくなって人気が落ちるんですけど、「創造」の能力に制限をかけている作品は魅力がありますよね。
 たとえば『白衣の英雄』(双葉社)では、「創造」するために魔力をめっちゃ使う。100万魔力があればすごいという世界で、一番最低ランクの創造魔法でも100万魔力程度が必要になり、まず生物の創造はできなくなっている。そういう制約があるから物語をうまく動かせているんですよね。この作品では、異世界転移して能力を授かった主人公が稀代の天才科学者で、「創造」の能力とうまく噛み合っている。
 コンピューターを「創造」して薬を作ったり、コンピューターで魔法を研究したり。ただ、「創造」は本当の意味でなんでもありすぎるし、挙げなかったのは主人公とセットの能力だと思ったから。なんの知識もない人が「創造」を持っていても宝の持ち腐れになっちゃうかなっていうところです。

DMM・Nさん ロジックを知らないと作れないわけですか?

双葉社・Aさん 制限のない作品だとなんでもありです。頭が悪くても、思っただけで「創造」できちゃう。だけどそういう作品は物語が全然面白くならないんですよね。ダメな作品の典型です。

――現役編集者ならではの視点ですね。確かに創造系の能力は強そうです。

Link・Aさん 社内で話したのは、時間を操る系の能力も最強候補でしたね。何が起こっても巻き戻せばリセットできてしまうので。

双葉社・Aさん 時空系の能力も、なんでもありにならないように制限をかけている場合が多いですよね。『Re:ゼロから始める異世界生活』(KADOKAWA)の主人公はただの人。能力は“死に戻り”だけ。そういう制限があるから、死んで戻ったあとにどう頑張るかが人を感動させていくんですよね。

――ここに来ていろんな最強そうな能力が出てきました。

双葉社・Aさん スコップの初期状態ってどんな感じですか? 波動砲がいつ使えるようになったのかが気になります。

BW・Hさん スコップへの信仰心があれば目覚めます。ヒロインも目覚めつつあって、今、瞳にスコップのマークが現れて謎の力を発揮してきています(笑)

出典:スコップ無双 「スコップ波動砲!」 ( `・ω・´)♂〓〓〓〓★(゜Д ゜ ;;;).:∴ ドゴォォ/福原蓮士・つちせ八十八・憂姫はぐれ/KADOKAWA

Link・Aさん 主人公、1000歳超えているという話じゃないですか。それは能力なんですか?

BW・Hさん そこは考えたらダメです。受け入れないと(笑)。転生も転移もしてない。穴掘ってたら最強になっちゃった。そこもスコップゆえなんだと思います。

Link・Aさん スコップを使えるのは主人公だけなんですよね?

BW・Hさん だんだん影響を受けて、みんなが使えるようになっていきます。スコップを信じればなんでもできる。

――発想力がすごすぎますね。今のところは「死ね」と言われても効かないと?

BW・Hさん 効かないですね。でも、能力かと言われると怪しい部分があるので、反則負けも仕方ないかなって気もします(笑)

――議論は尽きませんが、そろそろ「最強」を決めていきたいと思います。今回は「主人公の強さ」は考慮せず、能力そのものの強さで考えましょう。……シンプルに多数決でいいですか? それでは挙手していただきましょう。

【投票の結果】
スコップ波動砲=3
即死能力=2
大賢者=1
吸喰能力(アブソープション)=0
捕食者=0
バフ・デバフ能力=0

――あれ? Hさん、「大賢者」に投票してますけど(笑)

BW・Hさん やっぱりスコップは能力じゃないので反則負けかなと(笑)。そうすると「即死能力」が一見強そうですけど、それに勝つための勝ち筋を「大賢者」なら教えてくれるかもと思ったので「大賢者」に投票しました。だけど、スコップは思いのほか支持を得られてたんですね(笑)。作中、「森羅万象、あらゆる事象を実現可能にする」っていう台詞がある通り、スコップは最強を通り越して無敵の能力です。

――提案した本人が反則負けを認めておりますが……(笑)。今の発言で心が動く方もいるかもしれないので、最後は「スコップ波動砲」か「即死能力」の決選投票にします。再度挙手を!

【再投票の結果】
即死能力=4
スコップ波動砲=2

――……なんと逆転しました!

BW・Hさん あっちゃー……。

――自爆した感がありますけれども(笑)、今回は「即死」を最強チート能力に決定させていただきます。推薦者のDMM・Nさん、今のお気持ちを!

DMM・Nさん 最強といったらバトルで強い能力だと思うので、やっぱり「即死」ですね! 「捕食者」「吸喰能力」は汎用性が高くて手強いと思いましたけど、今回は勝ててよかったです。これぞチートの中のチート、王道チートです!

 * * *

 今回の座談会では「即死能力」が見事に最強の称号を手にしたが、読者の皆さんにはきっとそれぞれが思い浮かべる「最強チート能力」があることだろう。
 今回紹介された『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』(双葉社)をはじめとして、数多くの異世界マンガがアプリ「マンガがうがう」で楽しめる。現在「マンガがうがう」は2周年キャンペーンを行っており、今だけのおトクなイベントが満載だ。この機会に、新たな「最強チート能力」をアプリで見つけてほしい。

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