全国的に肌寒くなり秋も終わりを迎えようとしているが、漫画好きの人にとっては「読書の秋」は10月後半より始まったといっても過言ではない。なぜなら、10月24日発売の『週刊少年ジャンプ』から冨樫義博氏による漫画『HUNTER×HUNTER』の連載が再開されたからだ。次いで11月4日にはコミックスの37巻が発売された。
読書の秋に絡めて言及したいのは、作品屈指の人気キャラクターであるクロロ=ルシルフル。クロロは本を片手に戦うため、読書の秋にはもってこいのキャラ。容赦のない性格をしているが、本を片時も手放さず戦う姿は非常に知的でスマートに見える。
クロロが登場する『HUNTER×HUNTER』は、1998年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載を開始した人気作。冨樫氏の体調不良により長期休載していたが、前述の通り10月より3年11か月ぶりに連載が再開された。
クロロ自身の念能力「盗賊の極意(スキルハンター)」は、他人の念能力を盗んで具現化した本に閉じ込めるというもの。発動条件は厳しいが、自由に取り出して使うことができるため、本作でも屈指の強さを誇る。
戦闘シーンはまだ少なく、ゼノ&シルバ戦とヒソカ戦の2つ。特にヒソカ戦では「栞(しおり)のテーマ(ダブルフェイス)」という使い方も披露し、大して苦戦もせずにヒソカを殺害している。ただしクロロもヒソカも、どこか手の内を隠しているような余裕が見られた。
最新エピソードでは、クロロ含む幻影旅団の面々はカキン帝国の王位継承戦が行われている船に乗船中。今後、ストーリーにどのように関わってくるのか楽しみだ。
■本は命そのもの?呪文を使うためにも必要な魔界の子
刀を使うもの、銃を使うもの、ムチや弓で戦うものなど、漫画やゲームの世界ではそれぞれのキャラが個性にあった武器を携えて戦っているが、実のところ「本を片手に戦うキャラクター」はそこまで多くない。
雷句誠氏の漫画『金色のガッシュ!!』では全体を通して本が重要なアイテムとなっており、ほとんどのキャラクターが本と関わりがある珍しい作品だろう。
同作は魔界における後継者争いを描いた漫画で、「本」は魔物が術を使うために必要なアイテムだ。主人公のガッシュ・ベルは「やさしい魔王」を目指すため、パートナーとなった人間の高嶺清麿と一緒に苛烈な戦いを勝ち抜いていく。
そんな魔物たちの本は、魔物の「命」そのもの。本が燃やされると戦いから脱落し、魔界へと強制送還されてしまう。
個人的には「本」といえば真っ先に思いつく作品だ。感動できるエピソードも多く、現在配信連載中の『金色のガッシュ!!2』も盛り上がりを見せている。