■難易度高めな「欅坂46」の小ネタもたくさん

 よく見ていないと気付かなさそうなものとしては、とあるコマに出てきたデジタル時計の表示「AM01:27」がある。これは「欅坂46」のユニット曲「AM1:27」をもとにしたネタだと思われる。うっかりしていると見過ごしてしまいそうだ。

 最後にもっとも難易度が高いといえるネタが、作中に登場した船内のエリアをあらわす英数字「SRCL-9041」「SRCL-9488」。実はこれ、ただの英数字の羅列ではなく、どちらもソニー・ミュージックレコーズが発売するCDの商品番号で、前者は「欅坂46」のデビューシングル「サイレントマジョリティー」、後者は同グループのファーストアルバム「真っ白なものは汚したくなる」のものだった。

 あまりに細かすぎるので、ファンでも気付かなかった方も多いのではないだろうか。そもそも商品番号を気にする機会なんて、それほどはないような気がする……。

 ちなみに、冨樫氏は「欅坂46」と“ひらがなけやき”と呼ばれる「けやき坂46(現在は日向坂46)」の両グループを好きなようで、35巻のおまけ漫画では「漢字欅とひらがなけやき どっちが好きですか?」という問いに「この世で最も愚かな質問の一つだな」「選べない」と答えるクラピカの姿が描かれていた。

 

『HUNTER×HUNTER』でしばしば登場するアイドルネタ。11月7日発売の『週刊少年ジャンプ』に掲載された393話では、ヒソカとヒンリギが幻影旅団について「推しは?」「箱だな」とやり取りする場面も描かれた。

 ちなみに“箱”とは、グループのなかの誰かではなくグループ全体を推すという意味の用語で、アイドルファンのあいだでよく使われる。なるほど、幻影旅団はアイドルだったのか……?

 今回紹介した以外にも、本作には大小さまざまなアイドルネタが登場する。もちろんアイドル以外の小ネタやおもしろネタも含まれているので、細かいところまで探してみるのもまた面白いかもしれない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3