■ウイルスによって昆虫が巨大化!『インセクツ』

 あるウイルスによって、昆虫が巨大化してしまうという作品もある。それが『インセクツ』(幻冬舎コミックス)だ。

 製薬会社のテルバイド化学が、有用なタンパク質を作るための研究に使用していた「ペレナドウイルス」によって、昆虫が巨大化してしまうという本作。もともとはウイルスを実験区域内の山に放ち、巨大化する昆虫のサンプルを集めていたのだが、徐々に制御が追いつかなくなっていく……。

 手のひら大のバッタに始まり、巨大な毛虫などに襲われ、事態の重大さに勘づく研究者たち。責任者は巨大化した昆虫たちは環境に適応できずに死ぬだろうと楽観視しているのだが、やがて研究者たちの勘はやがて最悪の形で的中してしまうのだ。

 巨大化した昆虫たちの成長はとどまることを知らず、羽を持つものは外部へ飛び立つ危険性が浮上。実験区域を越えて彼らが拡散されることを防ぐため、自衛隊が派遣され街の隔離が行われることになる。

 やがてかの有名な怪獣「ゴジラ」のように巨大な体へ成長したクモが現れ、街を破壊しながら人間に襲いかかっていき、人間側はミサイルや爆弾などで応戦するなど特撮映画さながらの展開も描かれた。

 昆虫は普段見慣れているだけに衝撃も大きく、押し寄せてくる巨大昆虫の群れにゾワゾワとしてしまう。実在していたらパニックになること間違いない。

 

 突然変異やウイルスによって進化してしまった生物たちの変貌した姿は、「実在しないでほしい」と願わずにはいられない恐ろしさがあった。人型になったり、空を飛んだり、巨大化したり……とバリエーション豊かな進化を遂げて襲いかかってくる彼らとの戦いは、“ありえない”と分かっていても楽しめる作品が多い。

 今回紹介した作品以外にも、進化系生物との戦いを描いた作品はあるので、ぜひ新たな「怖すぎる生物」を探してみてはいかがだろうか。
 

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