『渋谷金魚』『テラフォーマーズ』生物大量発生にゾワゾワ…実在したらホラーすぎる「進化形生物を描いた漫画」3選の画像
ガンガンコミックスJOKER『渋谷金魚』1巻(スクウェア・エニックス)

 漫画の世界では、生物が巨大化や凶暴化して登場することがある。身近な生物の変貌した姿に、思わずゾワゾワと鳥肌が立ってしまった人も少なくないだろう。

 人類よりもか弱い存在の彼らが強大な力を手にして迫り来る恐怖は、読者の心を掴んで離さない。そこで今回はフィクションだと分かっていても、“実在したら怖すぎる”進化系生物に人類が立ち向かっていく作品を紹介していこう。

■強すぎる進化系“G”との戦い『テラフォーマーズ』

 進化系生物のなかでも、『テラフォーマーズ』(集英社)にはとくに恐ろしい人類の敵が登場する。それが、「テラフォーマー」と呼ばれている“ゴキブリ”だ。

 彼らは、人類が実施していた「テラフォーミング計画」によって生み出された。これは、荒廃した火星に“コケ”と“ゴキブリ”を撒き、将来的に人類が移住できる環境に整えるための計画のことで、最後に地表に残っているゴキブリを駆除して完了するはずだった。

 しかし、ゴキブリたちは火星で独自の進化を遂げ、なんと2足歩行の人型になっていた。驚異的な生命力と屈強な肉体を手に入れたテラフォーマーたちは、火星を訪れた人類に襲いかかっていく。

 黒光りする体にギョロリと丸い目、人間のような歯まで生えている不気味なテラフォーマー。彼らがかつて小さなゴキブリだったことを彷彿とさせるのは、頭に生えている2本の触角だった。

 ゴキブリと言えば実生活のなかで見るのも口に出すのも気持ち悪く、「G」と呼ばれることもあるほど誰もが嫌悪感を抱いてしまう害虫の1つ。そんな彼らが屈強な肉体で迫り来る様子は恐ろしく、また「じょうじ! じょうじょうじ」など奇怪な言葉を喋る様子も、とにかく気味が悪くゾワゾワしてしまう。

 彼らの圧倒的な強さに手も足も出ない絶望感に、より恐怖が掻き立てられる本作。火星という特殊な環境で進化したという設定ではあるものの、もし彼らが実在したら絶対に出会いたくないと思ってしまう。

■人喰い巨大金魚が突然街に…!?『渋谷金魚』

 水中を泳ぐ姿が見る者を癒してくれる身近な観賞魚である“金魚”。そんな可愛い金魚が恐ろしい生物として登場するのが『渋谷金魚』(スクウェア・エニックス)だ。

 ある日突然渋谷に現れたのは、空を飛ぶ巨大な人喰い金魚だった。彼らは人の言葉を話しながら、次々と人間を捕食していく。やがて仲間たちが次々と命を落とし、脱出を試みたヘリコプターも食べられてしまうなど絶望的な展開が続くのだった……。

 そして本作のなかでもとくに恐ろしいのが、金魚たちが「ねぇ何して遊ぶ?」など、子どものような口調でおしゃべりをしているところだ。うじゃうじゃと空を飛んでいるだけでも異様な光景なのに、さらに金魚特有の無表情な様相の彼らが無邪気に言葉を発するだけで恐怖感が増す。

 さらに金魚たちは、ただ人間を捕食するだけではない。彼らのなかには、出会ってしまうと人間の体内から金魚が大量発生するなんて恐ろしい個体も登場する。

 渋谷という大都会に突如として現れた無数の巨大人喰い金魚たち。彼らに取り囲まれた人間たちは、金魚鉢に囚われたかのように逃げ場を失っていく……。

 本作で描かれる金魚たちが口をパクパクさせて人間を捕食していくシーンはショッキングで、思わず金魚を見る目が変わってしまいそうなほど衝撃を受けてしまった。

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