漫画雑誌のヒーローものやスポ根ものに胸を熱くし、ギャグ漫画で笑い転げた少年時代。昭和には、それらの要素とは一線を隠した“ちょっとエッチ”なジャンルの漫画が数多く存在した。なんとなく怒られそうで、お母さんに隠れてこっそり読んだそれらの作品の中から、今回は筆者おすすめの少年漫画3作を紹介しようと思う。
■変身後の姿が少年たちをザワつかせた『ウイングマン』
『ウイングマン』は1980年代中盤に週刊少年ジャンプで連載されていた桂正和氏の人気漫画だ。1984年にはアニメ化もされている。ちなみに主人公の広野健太の声はドラゴンボールのベジータでおなじみの堀川りょうだ。
正義のヒーロに憧れる少年がある日、夢が叶うノートを拾ったことから本当に正義のヒーローになって悪と戦う話なのだが、脇を固める女の子たちの可愛さと、変身後の露出度の高さが当時の少年たちをザワつかせた。
ザワつきを抑えきれず、お母さんに見つかったら何を言われるかわからないので、コミックのカバーを外して「キン肉マン」のカバーに付け替えてた友達もいたほどだ。
桂正和氏はウイングマンを皮切りに、その後『電影少女』『I”s』など絶妙な性描写を武器にヒットを飛ばしていく。少年期・青年期にこれらの作品に影響を受けた人も多く、ネット上では「女の子のお尻を描くのが日本一上手い少年漫画家」として今も話題に上っている。
■「もっこり」の元祖となった『シェイプアップ乱』
次に紹介するのは徳弘正也氏による少年向け漫画『シェイプアップ乱』。1983年から1985年にかけて週刊少年ジャンプにて連載されていた。
ウェイトトレーニングによって肥満体型からシェイプアップに成功したものの、筋肉がつきすぎて馬鹿力になってしまった主人公・寿乱子。その乱子の家に居候する親戚の変態浪人生・原宗一郎を中心に繰り広げられるギャグ漫画である。
しかし、日本人離れしたナイスボディーの乱子が見せるお色気シーンや、宗一郎の変態的なド下ネタなどがこれでもかと披露され、毎週小中学生男子の心をザワつかせた。「もっこり」という表現を初めて世に広めたのもこの作品といわれ、のちに「シティーハンター」の冴羽獠に受け継がれた。
ちなみに、我が家では母がシェイプアップ乱を愛読していたため、こっそりも、もっこりもなかった思い出がある。