数多くの作品が作られてきた『ガンダム』シリーズには、戦いの中で壮絶な最期を遂げたキャラクターが多い。
しかし、その一方で、あまりにもあっけない最期を迎えてしまうキャラも存在する。今回はそれまでの活躍ぶりに比べ、気の毒なほどあっけない幕切れを迎えたキャラを3人紹介する。
■いつの間にかやられていたアストナージ・メドッソ
最初に紹介したいのは『機動戦士Zガンダム」で初登場し、『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でパイロットたちを支えた名メカニックマン「アストナージ・メドッソ」だ。
アストナージはZガンダムの開発にも携わり、エゥーゴを支えただけでなく時には自らも出撃している。一年戦争時からメカニックやモビルスーツ(以下、MS)の研究を行っており、豊富な知識と高い技術を持っている。その後はロンド・ベル隊のチーフメカニックも務め、ブライトやアムロからの信頼も厚い人物だ。
地味ながらも存在感のあるキャラだったアストナージだが、『逆襲のシャア』で迎えた最期はあまりにもあっけなく、初見では死亡したかどうかわからないほどだった。
大破したMSリ・ガズィで出撃しようとした同僚のチェーン・アギを止めようとして、流れ弾のビームによる爆発に巻き込まれ戦死してしまう。
あまりにも一瞬の出来事で、しっかり見ていないとアストナージと思われる亡骸が漂っていることに気づかないほどだ。
3作品に渡って主人公サイドで活躍したキャラとは思えない、あっけない退場の仕方に気づいた時は衝撃を受けたものである。
■ライバルなのにあっさり殉職したジェリド・メサ
それまでの活躍に比べて最期が不遇だったキャラとえば、『機動戦士Zガンダム』に登場したティターンズ所属のモビルスーツパイロット「ジェリド・メサ」を忘れてはならない。
主人公カミーユの敵役となるジェリドは、第1話から「女の名前なのに、なんだ男か」とカミーユを侮辱して怒りを買い、殴られてしまう。これを皮切りに、カミーユと戦場で幾度となく戦うことになっていったジェリド。その中で、仲間のライラやカクリコン、献身的に支えてくれたマウアーを失い、カミーユへの復讐心を強めていった。
そして、最終決戦。ジェリドはモビルアーマーのバウンド・ドックに乗ってカミーユの前に立ちはだかると、隙を見せたZガンダムに組みついたが、その後はビールライフルを受けた反動でコントロールを失い、戦艦ラーディッシュの爆発に巻き込まれて殉職……というあっけない幕切れとなってしまった。
劇場版はもっと悲惨で、ジェリドの有名なセリフ「俺は貴様ほど、人を殺しちゃいない!」、散り際の「カミーユ、貴様は俺の…」もなくなってしまい、かなりの不遇っぷりを見せている。
序盤は主人公ライバルキャラとして存在感があったが、次第にヤザンやシロッコら強力な敵役に押されて、どんどん影が薄くなっていたキャラとも言える。
因縁深いカミーユとの激闘を死の間際まで見せてほしかったが、ニュータイプとして覚醒したカミーユを前に荷が重かったか。