きらびやかなステージに立つのは?『レヴュースタァライト』『かげきしょうじょ!!』『サクラ大戦』『カレイドスター』少女たちが“舞台”で輝く傑作アニメ4選の画像
『かげきしょうじょ!!』(C)斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会

 七色のスポットライトに照らされる舞台で、芝居やパフォーマンスなど誰よりも光り輝くヒロインたちに多くのファンが魅了される。

『エヴァンゲリオン』や『鋼の錬金術師』など、演劇界ではアニメや漫画の舞台化がたびたび話題を集めるが、これとは逆のパターンもあった。たとえば『リボンの騎士』は、宝塚市出身の手塚治虫氏が「宝塚歌劇団」の影響を受けて描いた漫画。そして『リボンの騎士』から影響を受けて描かれた池田理代子氏の『ベルサイユのバラ』が後に「宝塚歌劇団」で上演され大ヒット作になったりと、舞台と漫画・アニメの関係は切り離せない。

 そこで今回は、筆者がとくにおすすめしたい「少女が主役の舞台&演劇アニメ」を紹介していく。

■舞台少女たちの戦いと例のキリン『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』

 2018年7月よりテレビ放送された『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は、歌劇の名門校に通う愛城華恋をはじめとした「舞台少女」たちが「トップスタァ」を目指す物語。

 同作はミュージカルと相互リンクしたメディアミックス作品で、そのため先に上演されていたミュージカルが原作であり、メインキャラ9名の声をミュージカル版キャストが演じていた。

 夜中の学園にあらわれたエレベーター、「地下劇場」で行われていたのは舞台少女たちが繰り広げる「レヴューオーディション」という名のガチな決闘。「変身バンク」と称される華恋の衣装工程や少女らの「口上」が魅力だったが、津田健次郎が演じた「キリン」も外せない。地下劇場の観客席で「わかります」を連発するなど謎だらけの存在だ。

 こうした随所に漂う不穏な雰囲気は、1997年のテレビアニメ『少女革命ウテナ』を彷彿とさせるが、実は『ウテナ』の磯原邦彦監督の作品には、本作で監督を務めた古川知宏氏もたびたび参加をしていたという。両作とも学園という箱庭の舞台で、少女が軍服に似た衣装に身を包み「決闘」する姿はどこか「宝塚歌劇団」を思わせる。

■「紅華桜の前に立つべからず」憧れの“オスカル様”と歌劇に打ち込む少女たちの青春を描いた『かげきしょうじょ!!』

 2021年7月に放送された『かげきしょうじょ!!』は、斉木久美子氏の同名漫画を原作とした作品だ。二人の主人公・渡辺さらさと奈良田愛が、100年の歴史を持つ「紅華歌劇団」で個性豊かな仲間たちと未来のスターを目指す物語。

 さらさは178センチの高身長で、『ベルサイユのばら』のオスカル様になることを夢見る天真爛漫な少女。一方の愛は国民的アイドルの過去を持つものの、さまざまな要因で極度の男性恐怖症と人間不信に陥ってしまう。愛の背負ったトラウマは見ているだけでつらく、第1話で描かれた「とあるファンのリアルな描写」に心をえぐられた視聴者は多かったのではないだろうか。

 相反する二人が歌劇を通しながら成長する姿は魅力的であり、きらびやかな世界でありながらスポ根漫画のようなエピソードも多いため熱くなれる作品だ。

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