『機動戦士Zガンダム』カミーユ・ビダンが“愛されるワケ”…名セリフにみる繊細と激情の画像
『劇場版 機動戦士Ζガンダム』U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ

 11月11日といえば、棒が並ぶ様子からスティック菓子「ポッキー&プリッツ」の日として知られている。そして、ガンダムファンの中にはご存じの方もいると思うが、『機動戦士Zガンダム』の主人公カミーユ・ビダンの誕生日でもある。

 今回は、ガンダムシリーズの中でもトップクラスのニュータイプ能力者であり、繊細かつ激情型だったカミーユの名セリフをピックアップ。そこから垣間見える、今なおカミーユが“愛されるワケ”に迫ってみたい。

■お前がそれを言うか?と誰もが思った珍発言

 最初に紹介するのは『機動戦士Zガンダム』の第9話「新しい絆」から、「暴力は…いけない…!」だ。

 ミーティングに遅刻したカミーユは、エゥーゴの出資者であるウォン・リーにいきなりビンタと蹴りを食らう。「こっちの事情も知らずに」と反発したカミーユだが、「甘ったれるな!」と再び蹴られて逆上。正拳突き2発で応戦したが、カンフーを使うウォン・リーに返り討ちに遭いボコボコにされてしまう。

 そして、あごを蹴り上げられて倒れたカミーユの口から出た言葉が、「暴力は…いけない…!」だった。それでもウォンはおかまいなしにカミーユの腹部に強烈な蹴りを入れ、カミーユはそのまま気絶してしまうのである。

 高校生相手に少々やりすぎではないか? と思えるシーンだが、問題はそこではない。カミーユといえば第1話「黒いガンダム」で、名前を馬鹿にされてブチ切れ、ティターンズ所属のモビルスーツパイロット、ジェリド・メサを唐突に殴りつけるシーンが有名だ。その後もティターンズ兵を蹴るわ殴るわ、大立ち回りを繰り返してみせた。

 また、第13話「シャトル発進」では、自身がシャア・アズナブルであると認めないクワトロ・バジーナに対して「そんな大人、修正してやる!」と全力で顔を殴りつけた。クワトロの身体がよろけ、かけていたサングラスが吹き飛ぶほどだったことから、相当な威力であったことがうかがえる。

 それ以外にも作中で暴力を振るうことの多いカミーユ。ウォンに完膚なきまでにやられて、つい「暴力は…いけない…!」と口走ったのだろうが、視聴者からしたら「お前が…言うか…?」と思えてしまう珍発言だろう。

■視聴者に面白さが伝わったか微妙なダジャレ

 第21話「ゼータの鼓動」では、ガンダムMkーⅡで帰還行動中のカミーユが口うるさい同僚のトーレスに対して文句を言うシーンがある。

 母艦アーガマのナビゲーターであるトーレスは、カミーユに「迷子になっちまうぞ」「報告は直接ブリッジで行うこと!」と通信で注意。彼は自らの仕事を全うしただけなのだが、カミーユは「口数が多いんだから…トーレスの奴、トーストにしてやる」と冗談交じりに口にした。

 カミーユは聞こえていないつもりで言ったようだが、通信を切り忘れていたため「聞こえたぞ」とトーレスに言われてしまうのだった。

 それにしても、トーレスとトースト……何とも微妙なダジャレ(?)であり、視聴者にその面白みが伝わったのかどうか、甚だ疑問である。

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