■高火力主役機の「プロトタイプZZガンダム」
最後に、MSVの派生「MーMSV(ミッシングモビルスーツバリエーション)」に登場する「MSZー009プロトタイプZZガンダム」を紹介する。
『機動戦士ZZガンダム』に登場する主役機ZZガンダムといえば、頭部のハイメガキャノンやAパーツ、Bパーツ、コアファイターからなる可変合体が特徴だ。しかしプロトタイプZZガンダムは、上半身と下半身のみで合体を行なう仕様になっている。
初期型のプロトタイプZZガンダムには武装が装備されておらず、その後のプロトタイプZZガンダムB型から試験用のハイメガキャノンが搭載された。そして脱出機構を兼ねたコアブロックシステムが導入されると、第一次ネオジオン戦争時ZZガンダムは完成、ジュドー・アーシタの元へ届いたのだ。
プロトタイプZZガンダムはMーMSVの設定資料に留まらないことも特徴である。現在も連載中の『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』にはMSZー009H2ヘッジホッグという派生機が登場する。『機動戦士ガンダム U.C0096ラスト・サン』にはパイロットにニュータイプ能力を与える「ナイトロシステム」という機能を供えたプロトタイプZZガンダムも登場している。
プロトタイプというバリエーション機体でありながら、さらにその派生機まで登場し続けているのは、本家に勝るとも劣らないプロトタイプZZガンダムの人気とカッコよさゆえだろう。
今回紹介したプロトタイプモビルスーツは、ガンダム世界において氷山の一角と言ってもいい。それだけ、ガンダム作品におけるモビルスーツの設定は今なお、深く広がり続けているのである。今後もプロトタイプと呼ばれる、カッコよさとロマンを兼ね備えたモビルスーツの登場に期待せずにはいられない。