これまで世界中の読者たちを魅了してきた少年漫画。応援したくなる主人公、仲間やヒロインたちとの関係、修行によって身につける必殺技、などなどバトル漫画の魅力はさまざま。だが欠かせないのはなんといっても、主人公たちの前に立ちはだかる強敵たちの存在だろう。
その壁が高ければ高いほど手に汗握る展開が生まれるが、中には「これ、どうやって勝つの?」という強さを誇るボスたちも生まれてきた。ストーリー上そのまま敵キャラが暗躍することはまずないが、主人公だけでなく読者たちをも絶望させた少年漫画のボスキャラたちを振り返りたい。
■「我は白面!! その名のもとに、全て滅ぶ可し!!」
まずは藤田和日郎氏による漫画『うしおととら』に登場する最強の大妖怪・白面の者だ。その強さは作者の藤田氏自身が、2016年にツイッターで「アイツを倒せるヤツなんて、全く考えていなかった」と語るほど。歴代の少年漫画の中でも最高峰のスケールと凶悪さを誇るキャラではないだろうか。
主人公・蒼月潮はそれまでの戦いによって、身も心も成長してきた。そして人間や妖怪の仲間を味方につけて、白面の者との最後の戦いに挑むことになるのだが……埒外の強さが白面の者にはあった。
「我は白面!! その名のもとに、全て滅ぶ可し!!」そう話して結界から復活を遂げると、白面の尻尾がかつての強敵であるシュムナやくらぎ、斗和子、あやかし、婢妖へと変化する。白面の尻尾は一本一本が違った能力を持っており、それらを分身として操ることができる。それまで数の多さで圧倒していた潮たちだが、これらの妖怪に一瞬で蹴散らされてしまった。
他にも白面の者は飛び立つだけで島を破壊し、口から放つ炎で島を真っ二つに。そして、唯一の希望とされた“獣の槍”までもが破壊されてしまったコマは、絶望しかなかった。
あらゆる「強さ」をこれでもかと詰め込んだような白面の者の攻撃の数々。その能力や兵力は桁違いで、どんなに潮たちが頑張ったとしても倒すことは出来ないのではないかと思わせるほど。鋭い眼光と笑い声、強さと自信から放たれるオーラ。見るからに絶対に勝てないと感じさせる敵キャラだったと言えるだろう。