■ブラックな展開が続く『アエイオウ』

 最後は1979年からNHKにて放送され、以降何度も再放送されていた幼児向けの砂アニメ『アエイオウ』。これはイタリアで制作されたアニメで、砂で描かれた丸い顔のキャラクターたちが大冒険しながら、バイオリンを鳴らしてピンチを解決するというものだ。

 内容はブラックな展開が多く、ずっと砂の上でのみ繰り広げられるストーリーは不安な気持ちをあおる。「よく分からないものは怖い」という気持ちになる作品だ。

 ジャンルこそ異なるものの、今回紹介したのは全てNHKで放送されたアニメ。改めて見ると、大人でも不安な気持ちに駆られたり、ついゾッとしてしまうものも多い。

 NHKでは2000年代以降も『シャキーン!』に登場する、かわいい天使のキャラクターが急にトラウマレベルの怖い外見に変貌して子どもたちに呪いをかける「ノロイちゃん」など挑戦的な作品が多い。現在の子どもたちも、アニメを見て私たちの知らないところで新たなトラウマを抱いているのかも。

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