■「ゴン…お前は光だ 時々眩しすぎて真っすぐ見れないけど、それでもお前の傍にいていいかな…?」

 続いてはキメラアント編から。キルアとゴンはカイトとともにキメラアントの調査のため、NGL自治国を訪れた。その道中、圧倒的な力をもつキメラアント・ネフェルピトーの奇襲を受け、カイトは右腕を失ってしまう。カイトが襲われたことで暴走しようとしたゴンをキルアは気絶させると、その場から全力で逃げ出したのだった。

 その出来事の後、カイトを見殺しにしてしまったのかもしれないと自責の念を抱いていたキルア。そんなキルアに対し、ゴンは「カイトは生きてる!」と真っすぐに伝え、強くなって助けに戻ろうと投げかけた。

 このセリフは、そのときにキルアがそっと心の中で呟いたもの。今にも消えてしまいそうな、泣き出してしまいそうな表情を一瞬浮かべ、「ああ、そだな」とうつむきながらも即答したキルア。かけがえのない仲間であるゴンと、一緒にいたいと心から願っていることが伝わる描写になっている。 

■「…何だよ。もう友達になれたと思ってたのオレの方だけかよ」

 同じくキメラアント編からのセリフ。このセリフは、キルアからキメラアントの兵隊長だったイカルゴに向けられたものだ。

 キルアの敵として登場したイカルゴは、別の仲間との連携と、自身の能力を駆使してキルアを遠くから狙撃。その後、イカルゴは凶暴な肉食の魚たちがいる地底湖にキルアを誘い込むが、キルアの機転により、逆に地底湖に落下しそうになってしまう。

 キルアは、イカルゴに仲間の能力を教えたら命を保証すると脅しをかける。少し悩んだイカルゴだったが、「仲間は…売れねえ!!」と自らその足を切断し、命を断つという答えを出したのだった。この決断を聞いたキルアは「かっこいいから 違うカタチで会えてたら友達になれたらなって思うくらいな」と、イカルゴを救出。

 その後、キルアは別の敵を倒したが、出血多量により意識が途切れてしまう。ここで、キルアを助けたのがイカルゴだった。無事に回復したキルアは仲間のところにイカルゴを連れて行こうとするのだが、「行っていいのか?その……オレなんかが…」と躊躇するイカルゴ。そんなイカルゴに対して、キルアが言ったのがこのセリフだった。

 今回紹介した2つのセリフ同様に、キルアはイカルゴから顔を背けており、表情を見ることはできない。大コマではなく小さいコマでのセリフだが、素直になりきれないキルアの精一杯の言葉に、ついページをめくる手を止めてしまったのは筆者だけではないだろう。

 キルアの仲間想いな一面が出ている名言を紹介した。主人公であるゴンが真っすぐで素直であることと対比するように描かれているキルア。現在はゴンと別行動をしており出番がほとんどない状態だが、多くのファンがその出番を心待ちにしているだろう。次回のキルアの登場を待つ間、再開された連載を読むのとともに、これまでの物語を読み直してみてはいかがだろうか。

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