■「シャア・アズナブル」ララァをめぐる嫉妬の本質

 最後に紹介するキャラといえば、シャア・アズナブルのほかにいまい。言わずと知れた永遠の宿敵で、一年戦争ではそれぞれ「赤い彗星」「白い悪魔」として幾度も刃を交えた。

 シャアがクワトロ・バジーナに扮していた『機動戦士Zガンダム』ではアムロと再会し、共闘もした。そして『逆襲のシャア』で長い因縁に終止符を打つ。

 互いを認め、否定し、最後まで自らの意地を貫いた2人。今見ても『逆襲のシャア』のラストシーンには目頭が熱くなるファンも多いのではないだろうか。

 そんなシャアはアムロの能力を誰よりも早く見抜いていた。『機動戦士ガンダム』の作中、「今、君のようなニュータイプは危険すぎる、私は君を殺す」とも言っていたが、それより何より、アムロの強いニュータイプ能力に激しい嫉妬を見せたシーンがあった。

 アムロがララァと精神世界で心を通わせた第41話「光る宇宙」でのことだ。2人の異変に気づいたシャアは、「ララァ!やつとの戯れごとはやめろ」と専用MSゲルググで割って入り、ガンダムと戦闘に。そして、アムロの攻撃からシャアをかばったララァは命を落とし、2人に決定的な因縁ができることになる。シャアは、自分には立ち入ることのできない、ニュータイプとしてより高次元でララァとつながったアムロに嫉妬したのである。

 

 ライバルたちの言動からも浮き彫りになる“真のニュータイプ”のアムロのすごさ。いかがだったろうか? だが、あの青臭かった少年時代も、腐っていた軟禁時代も、大人になって地球を守った最期も、すべてが「俺たちのアムロ」だった。これからもアムロと一緒に歳を重ね、ガンダムシリーズを見守っていきたい。ハッピーバースデー、アムロ!

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