11月4日は『機動戦士ガンダム』の主人公、アムロ・レイの誕生日としてファンの間で有名だ。彼はファーストガンダム当時、15歳の少年だった。1979年の放送開始から43年。もし現実世界でアムロが生きていれば、約58歳という年齢になる。しかし、アムロは最高のガンダム乗りとして、最強のニュータイプとして、ファンの中でいつまでも色あせることなく生き続けている。
今回は、そんなアムロに“格の違い”を見せつけられたライバルたちが抱いた畏れや嫉妬を紹介したい。言うまでもなく、アムロはモビルスーツの操縦や感受性の強さにおいて、ガンダム作品で右に出る者がいない“真のニュータイプ”として知られている。だからこそ多くのファンを虜にしてやまず、作中においてもアムロに強い感情を抱いた者たちがいた。彼らの言動からも、アムロという存在の大きさが浮き彫りになってくる。
■「シャリア・ブル」戦場で抱いた“格上”アムロへの畏れ
「すごいモビルスーツとパイロットだ。あのパイロットこそ真のニュータイプに違いない」
自らもニュータイプでありながら、アムロと戦闘に入った途端にこう認めたのが、『機動戦士ガンダム』第39話で参戦したジオン軍の木星帰りの大尉、シャリア・ブルだ。
巨大モビルアーマー、ブラウ・ブロに搭乗し、脳波でコントロールする有線型メガ粒子砲によるオールレンジ攻撃をしかけたが、アムロが操るガンダムにことごとく避けられる。そして、「あのパイロットは反対からの攻撃も読んだ!」と汗をダラダラ。
見えない位置から相手の居場所を探り攻撃するエスパー対決さながらの様相となったが、目を閉じたアムロがニュータイプの能力でブラウ・ブロの位置を探知。シャリア・ブルがそのことに気づき、「見つけたのか!?」と慌てた時には手遅れで、接近したアムロに至近距離からビームライフルを撃たれ、ブラウ・ブロはあえなく轟沈した。
ちなみにシャリア・ブルは、シャアとララァに初めて会った際、2人のニュータイプ能力を推し量っていた。「ララァ少尉からは何かを感じます。そう、力のようなものを」と言い、シャアに関しては「いや、わたくしは大佐のようなお方は好きです。お心は大きくお持ちいただけると……」と言葉を濁していた。
シャリア・ブルの評価の違いからも、ニュータイプとしてのアムロのすごさが伝わってくる。
■「ギュネイ・ガス」ファンネルで露見した決定的差
ガンダムシリーズ中、アムロに対して最も敵意をむき出しにした強化人間が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場した新生ネオ・ジオンのモビルスーツパイロット、ギュネイ・ガスだろう。
野心の塊のようなタイプで、シャアについて「大佐みたいなのが頭にくるとコロニー潰しなんかやるんだよ」「そんな時に大佐を止める力がいるだろ?」とクェス・パラヤに同意を求め、呆れられていた。
戦場では専用ヤクト・ドーガに搭乗。強化人間らしく「この左上のプレッシャーはなんだ?」とアムロの乗るνガンダムにいち早く気づくと、「あれをやりゃあ、大佐だろうが総帥だろうが」と功名心をあらわに。大破したリ・ガズィから出たケーラ・スゥを人質に取るなどしてアムロを執拗に狙ったものの、戦いを通じてその実力差は歴然だった。
巨大モビルアーマー、α・アジールに乗り換えたクェスと一緒にアムロのνガンダムを挟撃した際は、フィン・ファンネルのバリアで攻撃をすべてはじかれ、さらには一瞬の隙を突かれて、α・アジールの首元にビームライフルを直撃されるなど、“格の違い”をまざまざと見せつけられる。
「ファンネルがなんであんなにもつんだ」と驚きを隠せないギュネイ。その後もクェスと2人がかりで攻撃するが、アムロにあしらわれ、嫉妬をにじませるように「ファンネルがもたないから」と悔しがった。
最後は、武装を囮にしたνガンダムに不意を突かれ、ビームライフル一発で無言のまま散ってしまった。あまりにあっけない最期に目を疑った人も多いのでは? それほど、アムロとのギュネイの差は大きかったということだろう。