■博識であっても冷静さが足りない!?『ジョジョの奇妙な冒険』ギアッチョ
博識なメガネキャラといえば、作中、ここぞというタイミングで身に着けた知識を披露し、読者をも感心させてしまうという場面は少なくはない。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された『ジョジョの奇妙な冒険』にも、そんな博識なメガネキャラが登場するのだが、その知識を披露する姿がちょっと特殊なのである。
第5部に登場する敵キャラクター・ギアッチョは「暗殺チーム」に所属するギャングの一人だ。縁の太いメガネをかけた彼だが、その最大の特徴はとにかく「キレやすい」ということ。
チームメンバーから電話越しに「根掘り葉掘り」という言葉を聞いた際は「葉っぱ掘ったら 裏側へやぶれちまうじゃあねーか!」と激昂し、車の内装を素手で滅多打ちにし始めていた。
また、主人公・ジョルノらを追いかける場面では、攻撃を受けているにもかかわらず唐突に「ヴェネツィア」がイタリア語ではなく英語の「ベニス」と呼ばれていることに一方的にキレ、自身の能力で作った氷の鎧を、これまた喚き散らしながら素手で殴りつけていた。
思わぬ知識を身に着けていながら、そのあまりにも難ありな性格がゆえに完全な“変人”と見られてしまう、危険さをはらんだメガネキャラクターだ。
知的なイメージを抱かせ、いまやファッションアイテムとしても注目されるメガネだが、漫画作品ではそのテンプレートから大きく外れたキャラクターたちが多数存在する。
彼らはときに圧倒的な戦闘能力を持ち、またあるときはアクの強すぎる性格で周囲を圧倒する。さまざまな形で「定番」を裏切るその個性はいずれもインパクトが大きく、私たち読者をこれからも楽しませてくれるだろう。