■ウソつきで有名なスネ夫のあり得ない自己チュー発言
スネ夫といえば、のび太をいじめるクラスメイトの一人。ナルシストで自慢話と嫌みを言うことが大好きで、ウソばかりつくほら吹き名人でもある。
そんなスネ夫だが、コミックス1巻「ペコペコバッタ」のエピソードでも、あり得ないほどの自己チュー発言を繰り広げていた。
ある日、道路でサッカーをしていたスネ夫たち。スネ夫が蹴ったボールが偶然歩いていたのび太の顔に当たり、メガネが割れてしまう。怒るのび太にスネ夫は「けったのはぼくだけど、ボールの持ち主はお前だ」と、謝るどころか罪を仲間になすりつける。さらにその仲間は「サッカーをやろうといいだしたのはきみだ」と、また別の仲間になすりつけ、しまいには仲間割れに。
その様子を黙って静観するのび太に対し、スネ夫は「ようするにだな…」「のび太がボールをよければよかったんだ」と、ついには被害者であるのび太を悪者にする始末。
自分がボールを当てておいて謝りもせず、そのくせ人になすりつけ、話をうやむやにしようとするスネ夫に対しては自己中心的という言葉以外見つからない。
しかしその後、“自分の悪かったことを反省してペコペコ謝らせる”効果のあるひみつ道具「ペコペコバッタ」によってのび太に深く謝るスネ夫は「つくづく考えると、ああ、ぼくはなんという悪者だろう」と大泣きしていた。少しくらいは自覚があるのかもしれない……?と思った次第だ。
のび太やスネ夫など、ドラえもんに登場する個性的なキャラクターはみんな自己主張が強い。現代を生きる私たちからはなかなか言い出しにくい本音を、キャラたちは伝えてくれていたりもする。ある意味、とても“人間らしい”ところがあるのも、『ドラえもん』の魅力ではないだろうか。