『名探偵コナン』実現はかなり低確率…? 犯人たちが使った奇想天外なトンデモトリック3選の画像
少年サンデーコミックス『名探偵コナン』102巻(小学館)

 青山剛昌氏による人気漫画『名探偵コナン』。1996年の連載開始以降、これまでに数多くの難事件を解決してきたコナンたち。犯人が仕組んだ奇想天外なトリックをスパッと解いていく展開が同作の魅力のひとつだが、中には「それって本当に可能?」と思ってしまうようなものも、ファンならばいくつかは思い浮かぶはず。もちろん漫画の世界へのリアルな目線からのツッコミは野暮ではあるが、これまでに起こった『コナン』の事件から、トンデモトリックを厳選して紹介していきたい。

■体力と時間勝負の死体移動!

 まずは17巻と18巻に収録されている「時代劇殺人事件」から。これは小五郎たちが演技指導のためにと俳優・土方幸三郎宅に招かれるエピソードで、実は彼は妻・勇美を殺す計画を立てていた。そしてこの殺人で使われたトリックがかなり大胆で、マンションの5階と6階に同じ作りの部屋を借りていることを利用して犯行現場を錯覚させるというものだった。

 実際にどんなトリックかというと、エレベーター内のデジタル表示にマジックで細工をし、「6階」を「5階」に見せるという方法。そして6階で発見された遺体を5階の下にある沖田の部屋のベランダに移動させることで、土方は妻殺しから逃れようとしたのだ。

 このトリックの難しいところは、エレベーターのデジタル表示を見たコナン、蘭、小五郎の内の誰かが気づかないかという点。デジタル文字の「6」の左下の縦棒を塗りつぶすことで「5」に見せた土方だが、この方法だと「2」の箇所でおかしな表示になってしまう。そのため土方は「2階」のタイミングにあわせて名刺を差し出すことで視線を誘導していたが、小五郎以外の他の2人の目が名刺に集中する確率はかなり低かったのではないか。

 次に死体を下の階へと移動させるのもかなり苦労しそうだ。土方は死体の脇にロープを通し、下のベランダに向かって下ろすという作業を行っていたが、外からは丸見え。道路を歩いている人間に見られたら終わりである。死体は当然自分では動いてくれないので、垂直に近い状態で下のベランダに収まるように下ろすのも至難の業だろう。

 限られた時間内にひとりでやることが多い上に、体力勝負でもある。土方はこのトリックを実行するために、相当シミュレーションを重ねたのではないだろうか。

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