『デビルマン』に『ミスター味っ子』実は漫画とは大きく違う!? 大胆な設定違いがあった昭和の名作アニメ4選の画像
『ミスター味っ子』blu-rayBOXより (C)寺沢大介/講談社・サンライズ

 漫画や小説、ゲームなど、好きな作品のアニメ化はうれしいものである。そんな喜びの一方で、ファンが心配するのが原作をそのまま映像化してくれるかどうかだろう。だが、昭和のテレビアニメをあらためて振り返ると、漫画とは違うストーリーやキャラ設定のアニメ作品は多く、それはそれで別の魅力を放っていた。

 たとえば永井豪氏によって1972年から約1年間『週刊少年マガジン』に連載された漫画『デビルマン』がそうだろう。同作は主人公の不動明がデーモンと合体し、デビルマンとして戦いながら“真の敵”を知る物語。その過激な描写や奥深いテーマなどから、50年もの時を経て今なお多くのファンを持つ不朽の名作だ。

 同年にはテレビアニメ『デビルマン』もスタートしたが、漫画とはエピソードはおろかテイストがまったく違っていた。アニメの明がヒマラヤで死亡してからデーモンの勇者「デビルマン」に身体を乗っ取られたのに対して、漫画ではサバトでデーモンの勇者「アモン」と合体。つまり、アニメは「デビルマン」が、漫画はアモンの影響を受けながらも「明」が主人公というわけだ。

 また、アニメは「デビルマン」が素性を隠しつつ戦うヒーロー物語だったのに対し、漫画は人の醜悪をテーマにしたホラーな内容だった。幼少時に筆者も経験したのだが、アニメをきっかけに漫画を読んで大きな衝撃を受けた読者は多かったのではないだろうか。

 永井氏の自伝漫画『激マン!』によると、漫画と昭和アニメの関係性は「同じ基本設定を使用した“2つの作品”」なのだという。

 近年では漫画のダークさを表現した新作アニメも作られているが、昭和アニメには妖獣ララなど魅力的なキャラやエピソードが多いので、機会があれば視聴して欲しい作品だ。

■『六神合体ゴッドマーズ』原作要素がほとんど無し!? 合体ロボ? 双子のマーグ? クラッシャー隊?

 漫画とアニメが違う例として、1976年から『週刊少年チャンピオン』で連載されていた横山光輝さんのSF漫画『マーズ』を振り返りたい。記憶を失った人造人間マーズがロボット「ガイアー」とともに、地球の破壊を目論む“監視者”と彼らが操る「六神体」と戦う物語だ。

 この『マーズ』を原作に作られたのが1981年(昭和56年)に放映されたテレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』だが、本作は原形がほとんど残されていない「アニメ化作品」としても有名であった。

 まず、漫画で敵対していた「六神体」がアニメでは「六神ロボ」として合体する。マーズは人造人間ではなくギシン星人で、母星には「双子の兄マーグ」がいた。地球に送り込まれたマーズは地球人「明神タケル」として育てられ、後に地球防衛軍の組織「クラッシャー隊」に所属する。他にも原作との違いは数多い。

 とはいえ、テレビアニメの延長や劇場映画など、ロボットアニメながら女性を中心に人気を博した作品だ。

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