昨今、大人向けの深夜アニメが数多く放送され、昔に比べてもアニメが趣味という人はかなり多くなってきた。しかし大人になってからアニメを初めて見たという人は少なく、ほとんどの人は子どもの頃にテレビにかじりつくようにアニメを見ていたのではないだろうか。
ほんわかしたタッチで描かれる子ども向けのアニメだが、中には大人になっても消えないほどのトラウマを植えつけてくるキャラクターも出てくる。今回はそんな「ゆるアニメのトラウマキャラ」を紹介したい。
まずは、いがらしみきお氏の同名コミックが原作のアニメ『ぼのぼの』から。同作はラッコのぼのぼのを主人公に、アライグマくんやシマリスくんなど森の動物が多く登場する、ほのぼのと不条理ギャグが融合した哲学的要素のある作品だ。
同作には「しまっちゃうおじさん」という謎の存在が登場する。ピンク色で、ヒョウのような斑点を体に持ったいつも目をつぶっている生き物で、悪いことをした子どもを狭い岩の中にしまってしまうという恐ろしい存在。「しまっちゃうよ〜」というセリフがお決まりだ。
実は、しまっちゃうおじさんは『ぼのぼの』の世界に実在しておらず、ぼのぼのの暗い妄想の中にのみ存在している。しかし、暗くて狭い岩の中に素直にしまわれていく、いじらしく涙を流すぼのぼのの姿もあいまって、かなり謎で怖い存在だ。彼のせいで閉所恐怖症になってしまった人もいるのではないだろうか。
ただ、しまっちゃうおじさんが同作の世界観を象徴した哲学的な存在であることは言うまでもない。当時子どもだった現在の大人からも人気の高いキャラクターで、グッズも多数販売されている。
■ギャグ度の高かった『キョロちゃん』アニメにも
続いては、森永製菓のお菓子「チョコボール」のマスコットキャラクターであるキョロちゃんを主人公にしたアニメ『キョロちゃん』から。1999年から2001年にかけて放送された同作は、キョロちゃん以外は全員アニメオリジナルキャラクターのギャグアニメだ。
お菓子のパッケージからは想像もできない自由奔放で愛らしいキョロちゃんが巻き起こすドタバタな日々をアニメで楽しんでいた人も多いだろう。しかし同アニメにはたびたび社会風刺やブラックユーモアを含んだ内容も登場する。それゆえ、見る人によってはトラウマ体験となるような「怖い」キャラが登場することもしばしばだ。
中でも、当時から「トラウマになった」と評判だったのが、4話で初登場する「シバシバ」というキャラ。大きくて黒い体に毛が生えた謎の怪物で、シバシバと泣き声を上げながら数々の不気味な行動をとる。
アニメではキョロちゃんに覚めない悪夢を見せたり、子どもをさらってシバシバに変えてしまうことも。また分裂・合体するところや、いつの間にか横にいるところもかなり怖いキャラだった。
島の人々から恐れられている存在だが、そのうち奇妙な隣人としてキョロちゃんと一緒に踊ったりと、良好な関係は築けている様子。それにしても、行動の全てが怖すぎる!