■何もできず墜落「アプサラス2」は違う意味で活躍!?
最後に紹介するのは、『機動戦士ガンダム第08MS小隊』の第6話『熱砂戦線』で登場するMAアプサラス2だ。アプサラスシリーズは全3機登場(コミカライズではアプサラス0があるため4機)。
アプサラス1は作中で高火力を発揮し、連邦軍を圧倒する描写が見られ、アプサラス3は最終話『震える山 後編』で山を吹き飛ばし、視聴者にその存在感を植え付けた。さて、問題はアプサラス2である。
アプサラス2は試験運行中に08小隊の罠にかかると、シロー・アマダの搭乗する陸戦型ガンダムに取りつかれ、頭部バルカン砲で推進器を破壊されてしまう。
そのまま雪山に墜落すると、機密保持のためジオン軍のパイロット、アイナ・サハリンの手によって爆破処分されてしまった。ほかのアプサラスシリーズがMAとしての強力な一面を見せる中、アプサラス2はそのいかつい見た目通りの活躍することなく役割を終えた。
だがアプサラス2墜落後、シローとアイナは雪山で遭難し、互いに助け合ったことで2人の距離が縮まっている。兵器としてはパッとしなかったが、2人のキューピッド役としては大いに活躍しているのだ。
ガンダムシリーズにはMSやMAを筆頭に数えきれないほどの兵器が登場し、多くのファンを魅了し続けている。だがその裏では、一見凄そうな兵器であっても本来の性能を発揮できずに終わってしまうケースも少なくない。それは、ガンダムシリーズが「戦争」というリアリティーを追求しているからこそなのかもしれない。
放送中の最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』や続々と発表されるガンダム作品にどのような兵器が登場するのか、今後も活躍に期待したい。