10月から放送が開始された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』には早くも魅力的な兵器が登場している。主人公スレッタ・マーキュリーの搭乗するガンダム・エアリアルは、「エスカッシャン」と呼ばれるシールド兼ビット兵器でオールレンジ攻撃を行ない、視聴者に衝撃を与えた。まだまだ謎の多い兵器でもある。
モビルスーツ(MS)やモビルアーマー(MA)など、さまざまな兵器が登場するガンダムシリーズだが、一方で、見た目の派手さや期待感の割にパッとした活躍ができなかったものも少なくない。今回は、ガンダムシリーズに登場した兵器の中でも、あまり活躍出来なかった秘密兵器にスポットを当てて3選紹介したい。
■爽快感がなかった「メガ・バズーカ・ランチャー」
『機動戦士Zガンダム』で、クワトロ・バジーナが搭乗するMS百式が使用した「メガ・バズーカ・ランチャー」。全高22メートルの百式に匹敵するサイズ感で登場し、視聴者の度肝を抜いたが、そのド派手なルックスに見合った戦果を挙げられたとは言い難い兵器だ。
初登場したのは第10話『再会』。母艦アーガマから射出されたメガ・バズーカ・ランチャーを受け取ったクワトロは、「使えればいいが……」と不安を吐露。その後、パプテマス・シロッコの搭乗するメッサーラを狙撃するが、失敗に終わる。
第32話『謎のモビルスーツ』では戦艦ドゴス・ギアを狙撃するが、4発中2発は被弾させること叶わず、当たった2発もカタパルトデッキを破壊するにとどまった。さらに、第38話『レコアの気配』では戦艦アレキサンドリアを狙撃。しかし、これは同艦に搭乗していたレコア・ロンドに察知され、失敗している。
メガ・バズーカ・ランチャーの射線上にいたハンブラビを撃墜したほか、母艦の防衛は成功しているため、作戦自体は失敗していない。しかし狙撃失敗後、クワトロが「なぜ外れた? なぜ……邪魔をする気配があったのか」と漏らしていることからも、意図していた通りにはいかなかったのは火を見るより明らかだ。
その見た目からも、命中した際の破壊力は想像できるが、強力なニュータイプを相手にしたため、本来の性能を生かせなかった不遇の兵器とも言えるだろう。
■ザク2改1機に破壊された「ガンダムNT‐1アレックス」
次に紹介するのは『機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争』で地球連邦軍のクリスチーナ・マッケンジー(クリス)が操縦した「ガンダムNT‐1アレックス」だ。作品のコンセプトが“人間ドラマ”中心となっているため、本機の登場自体が第4話『河を渡って木立を抜けて』、最終話『ポケットの中の戦争』と非常に少ない。
第4話ではジオン軍のMSケンプファーと対峙し、チョバムアーマーが破壊された隙に腕部のガトリング砲でケンプファーを撃破している。
最終話、バーナード・ワイズマン(バーニィ)の搭乗するザク2改と一騎打ちの末に、ザク2改1機に破壊されている。ガンダムNT‐1は作中、ガトリング砲が右腕に500発だけしかないと言われており、加えてバーニィが事前にトラップやダミーを用意していたことを考えると分が悪かったと言えなくもない。
また、本来ガンダムNT‐1アレックスはアムロ・レイが運用する予定のニュータイプ専用MSという設定だ。テストパイロットのクリスが性能を発揮させるには少し荷が重かったのかもしれない。
しかし以上のことを踏まえても、ザク2改1機に破壊されてしまっては、鳴り物入りで登場した連邦軍の新型MSとしては残念な結果と言わざるを得ないだろう。