「腐った缶詰の見分け方」を知ってる…? さいとう・たかをさん『サバイバル』から学ぶ「生きるための知恵」3選の画像
少年サンデーコミックス『サバイバル』第1巻(小学館)

 漫画家のさいとう・たかをさんといえば、『ゴルゴ13』や『鬼平犯科帳』など、劇画作品の大御所として多くの人気作を世に送り出してきた。2021年、惜しくもこの世を去ってしまった彼だが、『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載されていた人気作の一つ『サバイバル』では、荒廃した世界を生き抜く人々の力強さを描くとともに、実用的な知識やノウハウが多数登場する。

 まさにサバイバル生活のなかで生き残っていくために使える知恵の数々を、紹介していこう。

■物資だからといって油断は禁物…「腐った缶詰の見分け方」

 文明が死に絶えた世界では、とにもかくにも生き残るための「食料」を確保する必要がある。群生する植物や動物の類を捕まえるのはもちろんだが、できれば文明を感じられる加工食品などを口にしたいと思うのが本心というもの。『サバイバル』の作中でも、主人公・鈴木サトルは旅をするなかでいくつもの廃墟を探索し、運良く手に入れた物資に一喜一憂する。

 物語冒頭、サトルは瓦礫まみれになった街のなかで「缶詰」をいくつか発見。缶詰といえば、食品を完全に密封して劣化を防ぎ長期間もたせることができるという、まさに理想的な「保存食」で、サトルも当初は手に入れたことを喜んでいた。

 しかし、そのうちの一つから強烈に発する異臭に思わずたじろいでしまう。どんなに長期間の保存が可能といっても、缶詰はその保存期間に限界がある。内容物が腐るとガスが発生し、缶詰を内側から膨らませてしまうのだ。非常に残念なことではあるが、膨らんだ缶詰を発見したら、おとなしく廃棄するべきだろう。

■自然が生み出した法則に学ぶ「食べられるキノコの見分け方」

 野山ではさまざまな食料を確保することができるが、とくに群生している「キノコ」は腹を満たす食材としてはもってこいだ。ただし、厳しい自然界で生き抜くため、キノコのなかには「毒」を有するものも数多く存在する。毒の効果はそれこそ多種多様で、腹痛を起こす程度ならばまだしも、なかには幻覚を見たり、ひどい場合には死に至るものまである。

 作中、サトルも数々のキノコに出会うが、「食べても大丈夫か否か」という点を自身の知識と体験によって見分けていく。彼が使っていた判別方法は、キノコの「茎」を裂いた際、縦に良く裂けるものについては食べられるものが多い、というものだ。また、派手な色をしているものは毒を有しているから食べない、といった判断もできる。

 キノコの種類は数多く存在し、その判別方法は千差万別のため、この知識が必ずしもまかり通るわけではない。それでも知っているのといないのとでは、大きな差が生まれる豆知識だろう。

 サバイバル生活のなかでは“ちょっとした食あたり”も、そのまま命の危険へと直結する場合がある。少しでも栄養になるものを手に入れるための、地味ではあるが役立つ知恵である。

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