『ちびまる子ちゃん』笑っていいのか迷ってしまった 珠玉の“殿堂入りエピソード”3選…高級すぎる寿司、ノートにバカの字の画像
『ちびまる子ちゃん』描き下ろし 特設サイトキービジュアル (C)さくらプロダクション

 お茶の間をくすりと笑わせてくれる、さくらももこさんの国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』(集英社)。

 2018年12月発売のコミックス17巻で物語は完結しているが、さくらさんがテレビアニメのために書き下ろしていた脚本をもとに、アシスタントを長年務めた小萩ぼたん氏が作画を担当。2022年10月25日、満を持して4年ぶりの新刊18巻が発売され、ファンが盛り上がりを見せている。

 そんな本作には、しばしば笑っていいのか迷ってしまうような強烈すぎるエピソードが登場する。ファンにとっては“殿堂入り”とも呼べる珠玉のエピソードたちを、今回は紹介していこう。

■孫のために年金を使い果たす…!?「まる子 おすし屋さんに行く」

 まる子の祖父・友蔵が大変な目に遭ったエピソードが「まる子 おすし屋さんに行く」である。

 まる子の誕生日が近いことに気づいた友蔵は年金がちょうど入ったこともあり「今日は何でも買ってやるぞ!」と、気合い十分に告げ、一緒におもちゃ屋へ行く。

 遠慮してトランプをねだるまる子の健気な姿に感動した友蔵は、”全力で”欲しいものを言うようにと注意し、そして当時大流行していたおもちゃの「ローラースルーゴーゴー」を買ってあげるのであった。

 しかし、話はここで終わらない。帰り道、ごちそうを食べさせようと友蔵がリクエストを聞くと、まる子はなんと「カウンターのある寿司屋へ行きたい」と言い出す。さすがに顔が引きつるも、”全力で”と言った手前断ることもできず、地元でも高いと有名な寿司屋に入店することになる。

 祖父の心情をよそに、まる子は“全力”でウニやイクラ、そしてキャビアなどが入った特上寿司を食べた挙げ句、お土産まで頼み出す始末。友蔵は青ざめながらシメサバのみを食べ続けるという、シュールな展開となった。

 気になる寿司代は、なんと7万5千円! 持ち金が足りなくなった友蔵は「すまんっ」と言い捨て、ローラースルーゴーゴーを返品するためにおもちゃ屋へ全力疾走するというオチがついていた。

 祖父を気遣いながらも言われた通り“全力で”おねだりを続けるまる子と、孫のために一肌脱ぎ続ける友蔵。本作でまる子に振り回される友蔵の構図はよくあるが、このエピソードはとくに人気が高く、原作25周年記念にリメイク放送されたほど。これからもファンの間で語り継がれるだろう。

■姉妹喧嘩の意外なオチ「まる子、きょうだいげんかをする」

『ちびまる子ちゃん』の記念すべきアニメ第1話で放送されたエピソードが、「まる子、きょうだいげんかをする」だった。

 まる子の母・すみれがシーチキンを買った“おまけ”でノートをもらってきたことから事件は勃発する。ノートは1冊しかなく、それをめぐってまる子と姉・さきことの壮絶な姉妹喧嘩が始まってしまうのだ。

 最終的にジャンケンで勝敗を決め、勝負を制したさきこがシーチキンのノートを手にすることに。負けてしまったまる子はどうにも納得ができず、あの手この手でノートを奪おうとするも叶わない。

 どうしても腹の虫がおさまらないまる子は、さきこが大切にしまっていたノートを無断で持ち出し、その名前欄に「バカ」とでかでかと書いて仕返しをする。

 翌日、普段は一緒に登校する姉が先に学校へ行ってしまい、通学路で綺麗に咲いていた花を一緒に見られなかったことを悲しむまる子。帰宅後に「一緒に見たかった」と言う妹の様子を見てさきこは気持ちが和らいだのか、まる子が欲しがっていたシーチキンのノートをプレゼントしてくれることに……。

 そうして、念願のノートをもらったまる子だが、そのノートには自身で書いた「バカ」の落書きが。「“バカ”なのは自分だった」と、まる子が途方に暮れたところで話は終わった。

 “因果応報”とはまさにこのこと。正々堂々のじゃんけん勝負に負けたのにもかかわらずヤケになった自分のせいで痛い目を見る、”まる子らしい”エピソードだった。

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