■分かりやすさが好評だったミラション戦

 今回のアニメは分かりやすく作られており、原作コミックスに比べてミラション戦(マリリン・マンソン戦)が分かりやすく演出されているのがその代表例だろう。

 金に汚いミラションに奪われたエルメェスの所持金と肝臓を取り返すため、1000回のキャッチボールに挑むことになった徐倫とF・F。

 そのミラションの倒し方は、原作では看守にボールを落とされて一度は負けと判定されるも、それより早く彼女に1000球分のオラオララッシュを叩きつけ勝利するというものだった。しかしアニメでは、看守が奪ったボールを徐倫が自身のスタンド・ストーンフリーの糸で奪い返し、「あたしはキャッチボールの相手を指定していなかった」「看守が途中に挟まっても賭けは続行中」という理論を取り立て人マリリン・マンソンが認めたことで、ミラションに勝利するという流れに。

 原作よりも公正で、徐倫が力技ではなく理論で勝つという改変があった。全体を通して彼女との戦闘がかなり分かりやすくなっており、原作ファンも納得できる展開になっている。

 そして最後は、キーパーソンの1人でもあるナルシソ・アナスイについて。彼は原作での初登場時は性別不詳で、どちらかといえば女性のような外見で登場していた。しかしアニメでは最初から男性らしい筋肉のついた肉体で登場していた。ファンとしてはアナスイのいろいろな姿が見られなかったのは少し残念ではあるが、結局原作でもなぜこのような姿で初登場していたのか明かされなかったため、仕方のないことなのかもしれない。

 アニメから試聴するファンにとっては、ある意味ではこれもアニメ化にあたり分かりやすくなっている点だといえるだろう。

 このほかにも、時代の流れもあってか細かなセリフの改変などがあった『ジョジョ』6部。今後もアニメ化にあたってより良い改変があるだろう。原作片手にアニメと見比べてみるのも楽しいのではないだろうか。

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