■圧倒的なスケールで旅立ちを祝ったドリー&ブロギーの「覇国」
最後に紹介するのは、ルフィたちが“偉大なる航路(グランドライン)”で上陸した2つ目の島「リトルガーデン」を旅立つときに描かれた、別れにふさわしい合体技だ。
ルフィたちはバロックワークスを相手に共闘した、巨人族のドリーとブロギーから「友」と呼ばれる仲になっていた。アラバスタを目指してメリー号が海へと出航したとき、ドリーとブロギーは水際に立ち、海原を見つめてこう言う。「友の海賊旗は決して折らせぬ……!!!」「我らを信じてまっすぐ進め!!! たとえ何が起ころうともまっすぐにだ!!!」と。
実は、この東の海には“魔物”がいて海賊たちが次の島にたどり着けないといういわれがあるのだが、その魔物とは、“島食い”と呼ばれる巨大金魚の存在だとドリーとブロギーは知っていた。
海に出たルフィたちの目の前に、突如、その”島食い”は大口をあけて出現した。飲み込まれてもなお、ルフィとウソップは「まっすぐ!!」「まっすぐ!!!」と叫び、2人の言葉を信じてまっすぐ進んでいく。
次の瞬間、ドリーとブロギーが同時に武器を手に放った合体技“覇国”が炸裂。海ごと斬って島食いに大きな風穴をあけ、メリー号は大海原へと飛び出した。
この大技と引き換えに、100年もの間戦ってきた巨人たちの斧と剣は折れてしまったが、「あいつらのためならば惜しくはない!!!!」とブロギーに断言されるほど、ルフィたちとの絆は深かった。
圧倒的なスケールで友の旅立ちを祝ったドリーとブロギー。隠れた名シーンの一つとして、多くのファンの胸に刻まれているに違いない。
『ONE PIECE』の感動した合体技、あらためて見ても迫力のあるシーンばかりだ。最近で言うと「ワの国編」のカイドウ戦での合体技も非常に熱かったが、やはり過去話を読み返すと、彼らの強さの成長も知れてよりワクワクしてくる。
これからもたびたび登場する合体技に心躍らせながら本作を堪能していきたい。