『BLEACH』『ゴールデンカムイ』でも…漫画・アニメに描かれた悲しすぎる「兄弟の確執・コンプレックス」の画像
『BLEACH 千年血戦篇』(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsud・ぴえろ

 2022年10月から久保帯人氏による人気漫画『BLEACH』のシリーズ最終章「千年血戦篇」のアニメが放送中だ。原作漫画終了からはや6年、アニメは10年ぶりの放送となる。

 10月10日に放送された第1話の放送では、初回から特殊エンディングとして、同作の原画展のテーマ曲でもあったキタニタツヤの「Rapport」がフルバージョンで流れた。ファンが驚いたのは、その楽曲に合わせて2004年から2012年まで放送されていたアニメ前作のカットを切り抜いたムービーが流れたこと。懐かしいシーンの数々にファンの心は大いに沸いた。

 同作の魅力は多々あるが、そのひとつがさまざまなキャラクターの人間関係。例えば、メインキャラクターで、黒崎一護が死神代行となるきっかけとなった死神の朽木ルキアは、義理の兄である朽木白哉と長きにわたる確執があった。
 尸魂界篇でルキアの処刑が決まっても顔色を変えずに自身の責務を果たす白哉。しかしそのラストでは、市丸ギンに殺されそうになったルキアを自らが盾となってかばい、ルキアを朽木家の養子にした理由を告げて謝罪するという感動的なシーンがあった。

 その後はルキアと和解し彼女の援護をするシーンも見られた朽木兄妹。漫画やアニメではこの2人のように、兄弟の確執や、互いへのコンプレックスを描く作品が存外多い。今回は「兄弟の確執・コンプレックスの描き方が秀逸な作品」を紹介したい。

■『NARUTO』イタチの背負った悲しみ

 まずは、岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』。うちはイタチは、サスケ以外のうちは一族を全員皆殺しにして抜け忍となり、作中で長らく強大な敵として描かれていた。

 しかし彼の抱える真相は別にあることがのちに判明する。実はイタチは木ノ葉の里の上層部から自分の一族を皆殺しするように命令されていたのだった。

 大蛇丸の元で力をつけ、ようやく兄と互角に戦えるようになったサスケ。これまで恨みのある兄を殺すためだけに生きてきたが、最後の最後に兄が自らの家族や仲間など、殺したくない大切な人を殺してまで自分だけは助けてくれたことを知る。その後はようやく誤解が解けるも、イタチは無理に延命していた体に限界がきて、サスケの眼に天照を仕込んで死んでしまう。

 闇の部分を一手に背負ったイタチの人生、そして兄の真意を知る由もなかった2人の関係はせつなすぎた。

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