■恋愛は戦！ 可愛すぎる真剣勝負を描く『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～』

　裏切りや命のやりとりも良いが、人生をかけた“恋の頭脳戦”もなかなかシビれるものがある。

　将来有望なエリートたちが通う秀知院学園。この学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐやは、互いに思いを寄せながらもプライドが邪魔し、告白できないでいた。

　関係に進展がないまま半年がたち、いつしか二人のなかには「恋愛は戦！ 好きになったほうが負け」という考えが固定化してしまう。しかし、今よりもっと進んだ関係を望み、「どうやって相手に告白させるか」という頭脳戦が繰り広げられることになる。

　物語は常に「勝負」という形式になっているが、中盤以降では互いに少しずつ素直になっていく様子が描かれている。そのため、頭脳戦を楽しみたいなら序盤がおすすめだ。とくに第１話は、よくもまぁこんなことでここまで必死に……と笑ってしまうくらい、二人の凝り固まった恋愛観や意地、プライドの張り合いがダイレクトに伝わってくるのが良い。

　映画のペアチケットをもらい、何の気なしに四宮を誘う白銀。しかしその映画には、「男女で見に行くと結ばれる」というジンクスがあることが発覚する。“映画に誘う＝結ばれたい＝告白”、つまり相手に誘わせれば勝ちだということ。さあ、どうすれば相手から誘わせることができるか……？

　自分の青春時代を振り返りながら読める『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～』は、いろんな意味でドキドキを楽しめる作品だと思う。

 

　一口に頭脳戦といっても、テーマや設定などがそれぞれ違い、バラエティはかなり豊かである。自分の好みの頭脳戦を見つけて、ワクワクの展開を楽しんでもらいたい。

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