『トモダチゲーム』や『かぐや様は告らせたい』も! 手に汗握る頭脳戦が楽しい“人気漫画のシビれるシーン”3選の画像
講談社コミックス『トモダチゲーム』第1巻

 世間は空前の漫画ブーム。『呪術廻戦』のような王道バトル漫画をはじめ、『チェンソーマン』のようなダークファンタジー、『SPY×FAMILY』のような笑えて泣けるスパイものも人気を博している。

 そんななか忘れてはならないのが、頭脳戦や心理戦を描いた作品だ。派手さや華やかさには欠けるものの、キャラクター同士が互いに頭脳を駆使してじわじわ相手を追い詰めるシーンは圧巻だ。今回は、頭脳戦が楽しめる作品のなかからシビれるシーンを3つ紹介する。

■金or友情? ゲームに勝ちつつ裏切者をあぶり出せ!『トモダチゲーム』

 まずは頭脳戦定番ともいえる、“金”と“裏切り”が絡むゲームバトルが繰り広げられる『トモダチゲーム』(原作・山口ミコト氏、作画・佐藤友生氏)を。

 ある日突然「トモダチゲーム」という謎のゲームに巻き込まれた主人公・友一と4人の親友たち。ゲームの案内人は、以下のことを告げる。「5人のうちの誰かが2000万円の借金を負っていること」「それぞれのメンバーは2000万円を5分割した400万円の借金をかけてゲームに挑むこと」「ゲームに参加しない選択肢もあるが、その場合は元の債務者が2000万円を一人で背負うこと」「ゲームをクリアすれば賞金がもらえるが、失敗すると借金が増えるリスクもあること」。そして、ゲーム自体は“友情さえあれば簡単なもの”で、5人が協力すれば簡単にクリアできるということ……。

 親友を信じてゲームに挑んだ5人だったが、第1ゲームから裏切者の存在によりゲームは大荒れ。固い絆で結ばれていたはずの関係に亀裂が入ってしまう。

 そんななか迎えた第2ゲーム「陰口スゴロク」で、ストーリーは最高の盛り上がりを見せる。基本ルールは普通のスゴロクと同じだが、進むマスの数を決めるのはサイコロの目ではなく、それぞれが無記名で誰かの陰口を紙に書き、ゲームの観覧者がそのなかから「もっとも許せない」と感じた者に投票し、その順位によって何マス進むかが決まるというもの。

 また、紙は白紙のまま提出することもでき、全員が白紙ならそろって1マスずつ進むことができる。要は、ゴールできるまでみんなで白紙を出し続ければ良い話なのだが、もちろんそうはならず、次第に秘密の暴露合戦になっていく。

 見かねた友一は、ゲームに勝つ方法と同時に裏切者をあぶり出す作戦を立てる。ルールの穴を突き、難題2つを同時に解決に導く友一の作戦にもシビれるが、これまで信じてきた仲間をハメる非情さも見ものだ。

 また、男3+女2というグループで、それぞれに抱く恋愛感情もこの場面で明かされることになる。そんな5人の関係性を分析しながら裏切者が誰か考えるのも、読者にとっては大きな楽しみの一つだ。

■ルール設定の緻密さが魅力!『DEATH NOTE』のタッグが送る新たな頭脳戦『プラチナエンド』

 頭脳戦といえば、原作・大場つぐみ氏、作画・小畑健氏の『DEATH NOTE』が有名だが、両者が手がけた3作目『プラチナエンド』でも、熱い頭脳戦が繰り広げられる。

 登場人物は、天使に命を救われた13人の元自殺志願者と、それぞれに憑いた13人の天使たち。この13人は次の神になるべく選ばれた神候補で、これから999日の間に誰が神になるか決めなければならない。

 神候補たちには、それぞれ天使の道具が与えらえれている。たとえば、高速で移動できる天使の翼、刺した相手を魅了できる赤の矢、そして刺した相手を即殺できる白の矢。また、特級天使はこれら3つの道具すべてを神候補に与えることができるが、1級天使は翼と赤の矢のみ、2級天使は翼か赤の矢のどちらか1つのみと、天使の階級によって与えられる道具に限りがある。さらには道具の譲渡や奪取も可能。

……と、ここに挙げたルールはほんの一例で、ほかにもかなり細かく設定が作りこまれている。この設定が最大限活かされるのが、神候補の一人「メトロポリマン」との一連の戦闘シーンだ。

 白の矢を持つメトロポリマンは、メディアを通じて「残り12人の神候補を皆殺しにし、自分が神になる」と宣言していた。仲間を集め、ほかの神候補をあぶり出すための仕掛けをしてくるわけだが、何せ相手は白の矢を持つ者。その前に姿を現すだけでも、考えなければならないことが山ほどあるのだ。

 相手や仲間はどれだけいるか? 仲間の持つ武器の種類や数は? それを探りながら、自分や仲間の持つ武器をどう駆使していくのかも考えなければならない。読むだけで脳がフル回転させられること間違いなしだ。

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