■最終形態に効くのはシリーズ恒例のアレ…?『ゼルダの伝説 夢をみる島』
アクションRPGというとさまざまなタイトルが思い浮かぶが、1993年に『任天堂』が発売したゲームボーイソフト『ゼルダの伝説 夢をみる島』は、ニンテンドー3DS、Nintendow Switchでそれぞれリメイクされるほどの人気作である。
本作のラスボスである「シャドー」は、黒い影の集合体に目玉が張り付いたおどろおどろしい姿をしており、主人公・リンクに襲い掛かってくる。6パターンもの姿が存在し、それぞれ攻撃パターンが異なるため、形態ごとに適した戦い方を選びながら長期戦を乗り切る必要があるのだ。
その最終形態は単眼に巨大な二つの腕を持つ怪物で、回転しながら迫ってくる腕の攻撃は徐々に速度を増す。それをかいくぐりながらときどき開く目を攻撃する必要があるのだが、一撃のダメージも大きく、まさにラストバトルにふさわしい強敵だ。
そんなシャドーだが、通常は弓矢やマジックロッド(こちらはリメイク版のみ有効)を使って戦うが、ゲームボーイ版のみゼルダシリーズで恒例の“あるアイテム”が非常に効果的なのである。
実はこの最終形態、「ブーメラン」を当てると即死させることができてしまうのだ……。ブーメランは取得方法こそ特殊だが、本来そのような異常な破壊力があるアイテムではない。なぜこのような仕様になったのかは謎だが、さすがにのちのリメイク版である『夢をみる島DX』では50%の確率に改修され、Switch版では通常ダメージまで威力を引き下げられた。
どうしても勝てないプレイヤーへの一種の救済措置だったのかもしれないが、さすがにラスボスがブーメランの一撃で吹き飛ぶ姿は問題だと判断されたらしい。飛び道具として何気なく使っていたアイテムでラスボスが即死する姿は、当時のプレイヤーたちに大きな衝撃を与えた。
物語の集大成として満を持して登場するラスボスは、今までの強敵を遥かにしのぐ圧倒的な能力でプレイヤーたちを大いに苦しめてくる。これまで培ったさまざまなノウハウを総動員してようやく撃破できるラスボスを即死させる手段があるとは、プレイヤーも夢にも思わないだろう。
一見すればただの設定ミスとも取れるが、そのインパクトの大きさからしばしば「裏技」として語り継がれている。こういった知る人ぞ知る撃破方法が存在するのも、ゲームの面白い点の一つなのかもしれない。