実写化して大成功? 『今日から俺は!!』『JIN -仁-』『金田一少年の事件簿』など、原作ファンも納得した「漫画実写化ドラマ」3選の画像
講談社漫画文庫『金田一少年の事件簿』(講談社)File13・書影

 近年、漫画原作のドラマが数多く放送されるようになった。純粋にドラマのネタが不足しているという背景があるかもしれないが、映像技術の向上により、実写化できる作品の幅が広がったことも要因としてあるのかもしれない。

 だが漫画の実写化はどうしても原作のイメージを崩すことも多く、もともとの原作ファンには歓迎されないケースもある。そこで今回は漫画を原作としたドラマの中でもとくに完成度が高く、評判の良かったおすすめの実写化作品を紹介していきたい。

■『今日から俺は!!』

 まずは西森博之氏によるヤンキー漫画『今日から俺は!!』のテレビドラマ。『ごくせん』『ROOKIES』『東京リベンジャーズ』など、比較的ヒット作の多いヤンキー漫画からの実写化で、コメディ要素をうまく表現して成功をおさめた作品だ。

 同作の脚本や演出を手がけたのは、『銀魂』や『斉木楠雄のΨ難』など漫画原作の実写作品を次々と成功させている福田雄一氏。絶妙なキャスティングと独特の間によって、視聴者をクスッとさせる場面が多い。なかにはキャストのアドリブと思われる場面もあり、全力で俳優陣がふざけている点も作品にマッチしていた。そして福田作品の常連であるムロツヨシ佐藤二朗が、ほかのキャストを引っ張ってどんどん福田ワールドに巻きこんでいくのも魅力と言える。

 もちろんギャグ要素だけでなく、不良同士の抗争などのバトルもリアルに描かれていたので、緩急があって見るものを飽きさせない作りになっている。1980年代の世界観を2018年に再現しても違和感なく見ることができたのは、福田雄一氏の技量が大きい。

■『JIN -仁-』

 続いては、村上もとか氏による『JIN -仁-』のテレビドラマだ。医療系ドラマにSF要素を加えた設定は斬新で、瞬く間に人気が出た実写ドラマである。

 現代の医者が幕末にタイムスリップをするという設定は、「現代医学をどのように再現するのか?」というのが見どころ。知識はあるが道具や薬がないという状況を打破するために、主人公の南方仁が試行錯誤する展開が面白かった。

 しかも医療面だけでなく、そこに幕末を生きる実在の人物が登場するので時代劇としても楽しめる。原作漫画を知っている人だけでなく、知らない人の支持も集め、幅広い年齢層の視聴者を獲得し、高い視聴率を記録した。

 当時の医療では救えない命を仁が救い、下手をすると歴史まで変えてしまうかもしれないという展開にハラハラし、現代に戻る方法や仁を慕う女性との恋の行方など、いろんな見せ場があったのも特長である。

 漫画原作のSF要素のある作品とは言え、人間模様を中心に描かれていたからこそ、実写ドラマ化したときの違和感が少なかったのかもしれない。

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