『名探偵コナン』そんな理由で…?殺人動機に驚いた“あまりにもひどい”トンデモ犯人3選の画像
少年サンデーコミックス『名探偵コナン』102巻(小学館)

 青山剛昌氏による『名探偵コナン』は、全世界で累計発行部数2億5000万部を超える人気作品である。1996年から『週刊少年サンデー』で始まった同作ではこれまでに数多くの殺人事件が起こっているが、犯人の動機はさまざまだ。怨恨による復讐や金銭目的、偶然や衝動的に起こしてしまった犯罪もあるが、中には読者が「そんな理由で人を殺すの?」と驚いてしまうものもある。

 そこで今回は、現実ではなかなか考えられない『コナン』の犯行理由を犯人を含めて紹介していきたい。

■茶髪女が許せなくて人殺し事件

 まずはコミックス第22巻に収録される「園子のアブない夏物語」に登場した「道脇正彦」なる人物だ。男漁りを目的に、園子がコナンと蘭を連れて伊豆旅行へ出かけるというこのエピソード。正彦は海に遊びに来ていた蘭や園子に近づき、園子と何としても仲良くなろうとしていた。自分が好かれていると思い浮かれていた園子だったが、実はそこには違う理由があった。

 それは正彦が過去に茶髪の女性に酷い振られ方をしたことによって「茶髪の女性を見ると許せない」という、怒りの気持ちが湧き上がってしまうことが関係している。正彦は茶髪の女性を見つけては衝動的に殺人を犯してしまい、園子と出会う前に何と4人もの女性を殺していたのだ。

 園子は、この4人目の犯行現場の側でカメラを持って立っており、背後を通り過ぎた電車のパンタグラフが光ったことで「写真を撮られた」と勘違いした正彦から命を狙われることになったのだ。

 なお、このエピソードは京極真の初登場回でもある。最後は園子のことが気になってそばでずっと様子を伺っていた京極によって助け出されるが、正彦の行動や言動は異常と言えるだろう。

 園子を刺し殺そうとするシーンでは、「おまえのようなチャラチャラした女を見ていると、無性にハラワタをえぐってやりたくなるのさぁ!」と、かなりぶっ飛んだ発言をしている。京極に側頭部を思い切り蹴られて倒されたので、当然の末路ではないだろうか。

■目暮警部も怒ったハンガーが当たって人殺し事件

 アニメオリジナルストーリーでもなかなかに変わった事件があり、トンデモ犯人と名高いのがアニメ135話「消えた凶器捜索事件」に登場した「五島緑」だろう。

 五島は米花町のアーケード街にある美容室「緑美容室」の店長で、そこで働く三井という女性と揉めていた。その原因は三井が他の美容室にスカウトされ、店を離れてしまうからである。しかし、それが原因で五島が三井を殺したワケではない。

 五島は三井の家を訪れて必死に説得していたが、三井は耳を傾けようとはしなかった。そんなときに三井が服に掛けていたハンガーを外そうとした際、勢い余って五島に当たってしまう。故意ではないがそれが事件のきっかけ。五島の怒りがそこで一気に爆発し三井をハンガーで絞殺してしまったのだ。

 後にコナンによって凶器のハンガーが発見され、三井の犯行が明かされると、三井は「あの子……私にハンガーを投げつけたんです。店を辞めないでと頼みに行った私に……」とあまりにも身勝手すぎる犯行理由を告白。これには目暮警部も「そんなくだらん理由で人一人の命を奪ったんですか、あんたは!」と激怒した。

 ハンガーが当たったのはわざとではなく、それが人殺しにまで発展してしまったので、目暮警部が「そんなくだらん理由」と怒るのは無理もない。ここまで下らなさすぎる理由で人殺しをしたのは、コナン史上でもかなり珍しいケースではないだろうか。

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